技法・用語
美術品全般について
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作品の限定総部数を意味し、番外版画は除いて勘定する。一般に作家は自分のオリジナル作品にサインのほか、この限定総部数を分母として、分子に一連のエディション・ナンバーを記入する。
番外版画一例:
H.C.はフランス語でHors Commerceの略で、非売品
PPは英語のPrinter’s Proofの略で、版画の刷り職人のための作品
EAとは、フランス語のepreuve d’artisteの略で、版画の作家保存分
英語ではArtist Proofと呼びAPと表記します。
TPとは、英語のTrial Proofの略で、版画の試し刷りという意味です。
フランス語ではEpreuve d’Essaiと呼び、EEと表記します。 -
美術品の保存にとって望ましいとされている湿度、温度の範囲は40~60%、温度は20~25度です。また、作品を飾る場合は暖房器具の真上や、太陽、蛍光灯の直射光の当たらない場所に飾るのが良いです。つまり、湿度のパーセンテージもそうなのですが、むしろ急激な変化にこそ、最大の注意が必要。温度・湿度があまり変化しない環境に置くことに気をつけてください。
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弊社で買取る作品は、「現在の美術市場で流通が可能な作品であること」ということ前提と言えます。物故作家において鑑定機関がある作家(東京美術倶楽部や棟方志功鑑定委員会など)に関しては鑑定書がない作品は市場で流通させるのが困難な場合があります。そういった場合は買取りの前に鑑定書をとっていただくケースもあります。ただし、同じ作家でも作品によっては必ずしも鑑定書が必要ではない場合もありますので、お気軽にご相談下さい。
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出現は1950年代後半の欧米から、美術用語では「量産される現代美術の立体作品」を指す。何よりエディション(限定総部数)が入っているのが特徴。市販の箱詰めの紅茶にサインを入れたボイスや、既製の便器を素材にオブジェを製作したデュシャンらの芸術に、マルチプルが占めた意義は大きい。
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普段我々が目にしているのがアラビア数字、ローマ数字には馴染みが薄いかもしれませんが、ローマ数字は「数の組み合わせ」でできているので覚えてしまえば簡単です。 まず、基本となる列(1・Ⅰ)(5・Ⅴ)があります。その列に数字を組み合わせていくと考えてください。
例えば、数字の2はⅠとⅠでⅡとなり、3の場合はⅠとⅠとⅠでⅢといった具合です。ただし、例外として基本となる列(1・5)の左隣、(4・Ⅳ)と(9・Ⅸ)の列の場合は基本となる列の数字から表現したい数字になるようにマイナスしたい数を組み合わせるということです。
たとえば、4の場合は(5・Ⅴ)から(1・Ⅰ)をマイナスするためⅣ、40の場合は(50・L)から(10・X)をマイナスするためXLとなります。後は左側から読んでいくということに気をつければ、この組み合わせの数が変わるだけでパターンは同じです。例:
15/50…XⅤ/L
125/150…CXXⅤ/CL
298/450…CCXCⅤⅠⅠⅠ/CDL -
絵画について
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刷り上った版画には作家によりサインが入れられる。これは、作家が作品を承認した証拠である。版画には、自署のサインの他にも様々なサインがある。物故作家の跡刷りの作品、生前に作家がサインを入れてなかったもの、製作中に作家が亡くなったものには、版元や遺族がスタンプを作りサイン代わりに押す。これをスタンプサイン、アトリエサインと呼ぶ。自署のものに比べ安い。あらかじめ原版の上にサインを掘り込んだり、刷り込んだりしたものを版上サインという。サインがないノーサインと呼ばれる作品もある。サインの習慣が一般化したのが1930年代のため、それ以前の版画にはサインが入ってないものがあります。ブックタイプの版画集などは、奥付ののみにサインがあることも多い。シャガールの「ダフニスとクロエ」を例にとると奥付のみにサインがあるブックタイプが250部、各作品が別々で個別のサインとナンバーがあるものが60部存在する。
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複数枚のセット物の版画、作家があるテーマに基づいて連作を製作したものなど。この単語が使われるのはほとんどが現代版画である。スウィート、シリーズなどと呼ばれることもある。
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日本画の現存作家の市場では、若干の例外を除き、新作の価格が最も高く、初期の作品は「前作」ということで価格が下がることが多い。そのため、作家が亡くなると新作の供給がストップして、市場は先細りとなってしまう。一方版画市場の場合はむしろ逆で、新作の発表価格は安く、旧作、特に初期の希少価値の高い作品や絶版のものなどには高い値段がつく場合もあります。
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オリジナル版画の基本は自画・自刻・自刷りの三点。しかし工程すべてを作家が負うとは限らない。絶対的な規範はないが、次のような原則はあります。
- 版画を制作する目的で作家が下絵(master imageもしくはmaster copy)を描き、作家自身が木版、銅板、石版、合羽版、孔版などを自刻(製版)したもの。
- 作家自身が自分の手で摺ったり、機械(プレス)にかけて刷ったりした作品、もしくは作家の監督下で職人(craftsmen)がその指示通り摺ったもの。
- 完成した作品の一枚一枚を作家が容認したもの、もしくは職人が製版し、刷りあがった作品を作家自身が容認したもの
- 完成した作品の版面左下に普通、限定番号(edition number)を、右下に自筆署名したもの
ただし、この4原則はサインの習慣が一般化したのが1930年代のため、それ以前に制作された版画には適用されない。
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残したい部分を浮き彫りし、それ以外の面を除去してできた凸部にインクを塗り紙に転写する。木版など。
【木版】
板目木版:木の幹を縦切りに、木目が水平にでるよう挽いた版を用いる。歴史的には最も古く、浮世絵などもこれ。
木口木版:輪切りにした幹の中央部を使う。堅い木を使い緻密な図柄に向く。書籍の挿絵として発達した。
リノカット:リノリウムを版材に木版と同じ摺り方をする。細かい絵は難しいが、版の柔らかさがそのまま作品に出る。 -
凸版とは逆に版上に溝を彫りインクを塗る。溝に詰まったインクを残して表面を拭きとり、そこへ紙を乗せる。銅板など。
【銅板】
ドライポイント:版に鋼鉄針等で直に刻描する技法。版が長持ちする様にメッキして摺る事もある。
メゾチント:版前面に傷をつけ黒く摺る。その細かなまくれを削ってできる白い部位が図柄になる。
エングレーヴィング:ビュランという先の鋭い刃物で銅板を直に彫りインクを詰めプレス機にかける。
エッチング:耐酸性のニスを塗った版面に鉄筆で刻描し、硝酸に浸して図柄部分だけを腐食させる。
アクアチント:松脂の粉末などを版面に撒き腐食させ筆で腐食液を塗り重ねて濃淡をだす。 -
版は平らなまま、科学的な処理などでインクの乗る部分と乗らない部分を作り分けて、プレス機で写しとる。石版(リトグラフ)など。
【石版】
リトグラフ:石灰石にクレヨンなどで作画し、酸性の溶液で描いた部分にだけインクが乗るように加工する。 -
絹の織り目や、図柄をくり抜いた型紙など、版の穴を通して下へインクを刷りとる方式。シルクスクリーンなど。
【孔版】
シルクスクリーン:枠に張った絹やナイロンにフィルム、感光剤などで図柄を謄写する。手軽で大量に摺るのに最適。
合羽版-ステンシル:型紙を切り抜き写し取る。その図柄は切り絵のようにどこかで互いにつながっているのが特徴。
謄写版-ミテオグラフ:蝋紙に鉄筆などで孔を開け、下の紙にローラーで転写。大量に摺れないが応用範囲は広い。
モノタイプ:ガラスや金属板に絵を描き、用紙に写しとる。そのため一点制作。紙をはがす際できる質感に味わいがある。
スタンピング:イモ版、消しゴム版がこれ。凸版の一種。インキを塗って捺せるものなら手指、葉、果実、何でも使える。
ミクスドメディア:いくつかの技法を組み合わせて制作された作品の技法をミックスドメディアと呼びます。ラッセンのミックスドメディアの技法にはアータグラフ、キャンバスエディション、ラッセングラフがありますがアータグラフとは、キャンバスにミックスドメディア技法で刷った物。キャンバスエディションはそのアータグラフにアクリル絵の具で手彩色を施したものを指します。また、ラッセングラフはボードにミックスドメディアの技法で刷り、手彩色を施した技法です。
ジークレー:デジタルカメラとスキャナー技術を使って作られた版画の技法を指します。ジクリーと呼ばれることもあり、アイリス工房で制作されるジークレー版画はアイリスと呼ばれる。
シバクローム:写真製版の技術を応用したもので、銀染料漂白法と呼ばれる技法により作成されています。色彩の退色に対する耐久性が高いことから近年よく使われるようになりました。 -
陶磁器について
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胴の部分に他の物が当たってできた放射状のニュウと釉薬のキズのこと。
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焼成中に自然にできた疵のこと。製作過程で生じたホツやソゲの上に釉薬が掛かった状態のことです。
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アマ手のことです。窯の温度が低いと起こる現象です。上薬にヒビが入っている状態です。表から裏面に通っている傷はニュウと判断しますが片側だけの場合はカンニュウと見ます。
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キズや欠点が無い完璧な状態の物のこと。
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キズの修理方法の一つで金直しとも言う。ホツやニュウを漆で埋めた後に、その上から金粉を蒔いて金で継いだように補修することです。銀を蒔けば銀継ぎと言います。
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口縁や高台の片側だけが欠けることでハマグリとも言う。ホツと同様にキズとして扱われます。
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高台の内側に放射状に入ったヒビのこと。鳥の足跡のように見えるのでこう呼びます。
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ヒビのことです。進行性の傷で振動等によって割れてしまう可能性があります。
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焼成中に器同士が接着したときにひとつを犠牲にして他を生かし、生かした器に残るくっついた痕のことを言います。
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釉面に生じた針で突いたような微細な穴のこと。
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器の表面にできる黒褐色の点のこと。焼成中に灰などの不純物が器の上に降ってきて、それが付着したまま焼き上がった部分を言います。
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口縁や高台が欠けていることでホツレとも言う。
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口縁の釉薬が剥がれて胎土が見えること。虫が蝕んだように見えるので、茶人がそう呼んで風情を鑑賞したようです。
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釉薬がかかっていない箇所のことで薬切れとも言う。
掛軸について
茶道具について
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物が本来の箱に入っていないで、それらしい別の箱に入っていること。
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署名の代わりに使用される記号・符号をいう。元々は、文書へ自らの名を普通に自署していたものが、署名者本人と他者とを明確に区別するため、次第に自署が図案化・文様化していき、特殊な形状を持つ花押が生まれた。
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湯を沸かす鋳鉄製の道具で、茶事・茶会を催すことを「釜を懸ける」とか「懸釜」と言い習わすように大事な道具の一つ。
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作家の後継者や親族または鑑定者が、本人の作品であると認定した箱のこと。箱には認定した人の箱書があります。
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茶を入れるときに使用する道具の一つ。茶碗を清めたり温めたりしたときに使った湯や水を捨てるために使う。
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2種の香を比べ、その匂いのよさを競う遊び。香は本来仏供養に用いられるものであったが、平安時代には、その匂いを楽しむ風が貴族社会に広まり、数種の香料を調合した薫物を合わせて優劣を競う薫物合が物合の一つとして行われるようになった。薫物は一種の練香(ねりこう)で、梅花・荷葉(かよう)などの名がつけられており、平安時代の貴紳らが処方の伝授者に擬せられているが、人ごとに調合法には多少の差がある。他の物合同様に判者が置かれ、単なる匂いの優劣のみならず、その銘の文学的興趣も判定の対象となった。室町時代に至り、薫物のかわりに沈香(じんこう)などの香木が用いられるようになったが、これを名香合と称する。
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日本の小規模な作業空間における炉(囲炉裏、火鉢、七輪、焜炉、等々)の熱源上に設置して、加熱容器(鍋、やかん・土瓶・鉄瓶など)や焼き網を乗せるための器具である。
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茶碗・茶器・茶杓などに判を押したもの、又は花押や署名を墨・朱漆などで書いたもののこと。
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茶入れを入れる袋。金襴(きんらん)・緞子(どんす)・間道(かんとう)などの名物切(めいぶつぎれ)で作る。茶入れ袋。
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炉や火鉢の炭継ぎ用に、炭を入れておく容器です。 竹や籐の籠に内張りをして漆を施したもの、瓢箪や夕顔をくり抜いたもの、木箱等々、形 や素材は様々にある。
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茶碗をふく布巾のことで、僅かですが茶巾でも購入される 足しにでもして下さいという意味合いがあり、お茶会に招待頂いた招待先の亭主などに対して 贈る謝礼の表書きの献辞(上書き)に用いられます。お茶会に掛かる費用の一部を負担しあうと の相互扶助の意味合いも込められています。
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抹茶を点てるのに使用する茶道具のひとつ。抹茶を容器(茶器)からすくって茶碗に入れるための匙。普段は筒に収められており、この筒に「銘」(その茶杓に付けられた固有の名前)を記す。
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茶道において抹茶を点てるのに使用する茶道具のひとつで、湯を加えた抹茶を茶碗の中でかき回して均一に分散させるための道具。抹茶といえばこんもりと泡を立てた姿が有名であるために、泡だて器の一種と考えられることも多いが、泡を立てるための道具ではない。竹製のものがほとんどだが、アウトドア用の金属製のものもある。
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共筒は、茶杓と同一の作者が作ったもの。追筒は筒が存在せず、裸のままで伝わった茶杓に、後世の人が筒を作って保存したもの。そして替筒は、共筒が痛まないように替えを目的に作ったものである。
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作者が作品を制作しみずから箱書きして納めた箱が、そのまま作品とともに残っているもの。また、その箱。
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棗は茶器の一種で、抹茶を入れるのに用いる木製漆塗りの蓋物容器である。植物の棗の実に形が似ていることから、その名が付いたとされる。現在では濃茶を入れる陶器製の茶入(濃茶器)に対して、薄茶を入れる塗物の器を薄茶器(薄器)と呼ぶが、棗がこの薄茶器の総称として用いられてしまう場合も多い。
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茶の湯の炭手前で、灰をすくって炉の中にまいたり、風炉の灰をならしたりするのに用いる匙。多く金属製。
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湯や水を汲み取るための柄のついた容器です。点前に用いるものは竹製で、湯水を汲む円筒状の容器の部分を「合(ごう)」といい、合に長い柄を取り付けてあります。
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日本の道具のひとつ。多くは鉄で作られ、火鉢や火箱の炭を扱うことを目的とする。かつて火鉢や囲炉裏が普及していた時代には、どこの家庭にもある一般的な道具だった。2本の、先に行くにつれて細くなる鉄の棒で構成され、長さは25センチから40センチ程度。炭を継ぎ足したり、熾っている火を調整したりするときに使用する。後端は丸いもの、瓦釘のようになっているもの、割ったり巻いたりして輪をつけたものなど様々である。
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釜の蓋や柄杓の合をのせるための茶道具で、材質は竹、金属、陶磁器類などがある。竹の蓋置は引切とも呼ばれ、竹の根元が上になるように逆竹に切る約束となっている。また炉と風炉の場合で切り方が異なり、天節と呼ばれる上端に節があるものが風炉用、中節と呼ばれる節が真中あたりに来るものが炉用である。棚を用いた点前では最後に飾られることが多いが、竹製のものは特別の物以外は飾らない。千利休が選んだとされる火舎、五徳、一閑人、三つ人形、蟹、さざえ、三つ葉の7つは「七種蓋置」と呼ばれ、特別な扱いがある。
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茶道で、釜を掛けて湯を沸かす炉。およそ5月初めから10月末まで使う。唐銅製・鉄製・土製・木製などがある。
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茶道の重要な道具の一つ。お抹茶を飲むための茶碗。その歴史は 古く、一楽、二萩、三唐津と言われている。
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茶席で使用する水を蓄えておく器。すなわち釜の湯を補い、茶碗、茶筅などをすすぐ水を入れておく器。水差、水注、水器ともいう。
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炉の炉壇の上にかける木の枠のことです。炉縁は大別して木地縁と塗縁があります。木地の炉縁は、一般的に小間に用いられます。炉縁に漆を塗った「塗縁」は、無地と蒔絵にわかれ、塗縁は一般的に広間(四畳半以上)で使用し、桧材真塗を正式としますが、あらゆる漆加工が使用されています。
ガラス工芸について
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日本では「アンティーク」という言葉を古い小物・雑貨や家具全般の通称として用いている。ただし、関税上アンティーク(日本語では書画・骨董)と呼ばれるのは100年以上を経たものだけで、この分類はWTO(世界貿易機構)に共通する。20世紀に入ってからのアール・ヌーヴォーやアール・デコ作品もその意味ではアンティークではない。しかし、現在流通するガラス工芸品の主流はこの時期のものであることも多い。
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ガレが直接作った作品が「オリジナル」、工房で生産したものは「工房もの」。こんな誤解をしていませんか?ガレやドームを初めとするガラス作家は別に自ら製作していたわけではなく、あくまで、有能な技術者を抱えた生産統括者、企業経営者だった。ガラス製品に刻まれる「刻印」もブランド名であり、「ガレ本人が作った」という証明ではない。彼らは、自分の芸術性や技術の可能性を追求した「作品」と、一般の市民に知名度を高め安価で提供するための「商品」を作り分けていた。同じ文様でも高級仕様ではグラヴュールをいう手彫り技術を用い、一般仕様では薬品を使ったエッチング加工を行うといった具合である。
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エミール・ガレ(1846~1904)。父親のガラス器、陶磁器の店のデザインを担当しながら文学・哲学・植物学等を学ぶ。植物・花・昆虫の文様と、自身で完成させた被せガラス、エナメル彩ガラス等の技法で1889年、1900年のパリ万博で世界的な名声を得る。工房を構えたナンシーはアール・ヌーヴォー期装飾美術の一大拠点となった。
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ルイス・カムフォート・ティファニー(1848~1933)かの有名なニューヨーク五番街の宝石店ティファニーの長男、アール・ヌーヴォー期のアメリカを代表するガラスメーカー経営者兼デザイナーとして活躍。
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兄オーギュスト(1853~1909)、弟アントナン(1864~1930)。ガレや家具職人マジョレルらと並びナンシー派を代表するガラス工芸作家。ヴィトリフィカッシオン、アンテルカレールといった技法を得意とした。
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フランス、モーゼル地方に生まれた男9人・女1人の10人兄弟のガラス工芸家。工房を構えて兄弟全員でガラス製品を生産した。
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ルネ・ラリック(1860~1945)。動物の角や宝石に植物・昆虫・裸婦といったモチーフを用いた宝石細工師として1900年頃からその名を知られ、後に香水瓶のデザインからガラス工芸に転向。金型を用いて独特に型吹き・型押しガラス器を開発した。
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昆虫なら昆虫の形に作った色ガラスを、器など本体に熔着させる装飾技法で、英語ではその名のとおり「アップリケ」。
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透明ガラスの層の間に色ガラスを挟んで彫刻を施す。ドームが特許を取得した装飾技法。
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粉末色ガラスをガラス素地にまぶして炉に入れなじませる。ドームの作品によく見られる、いくつもの色が混じり合った地紋はこの技法による。
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ガラスの表面を薬品で腐食させ、文様を表す技法。ガラス表面の艶消しにも使われる。
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融点の低い色ガラスを粉末にして油や松脂で練り、ガラス器に図様を描き焼き付けたもの。色絵ガラスともいう。
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ガラスを凹刻した窪みに金彩やエナメル顔料を表面が平らになるまで盛り上げて彩色する技法。
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「宝石七宝」の意味。金、銀、プラチナ箔をガラス器に熔着し、その上に半透明あるいは無色のエナメルをかけて低温度で焼成する技法。キラキラと宝石のように輝くことからこの名がある。
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制作したいガラス器の型を、木、粘土、金属でつくり、その中に溶けたガラス種を吹竿で吹き込んで成形する方法。宙吹きではできない特殊な器形をつくるのに適しており、多様な形、型文様のガラス器を制作することができる。
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ガラスの表面に半球状の丸味をもった色ガラスの小塊を熔着すると、宝石のカボション・カットに似た効果が生じる。金・銀箔などを挟み込むことも多く、デザイン上のアクセントとして有効な装飾である。
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ガラス素地に異なった色のガラスを部分的あるいは全体にわたって被せかける技法。ガラス器の断面には色ガラスの積層が見られる。グラヴュールやエッチングによって深浅を加減しながら彫刻を施すと、色調の段階的な変化が得られるカメオ彫となる。
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ガラス表面を研削して、文様や文字を彫刻する技法。直径が10センチから0.5センチほどの銅などの金属円板を回転させて、ガラスを凹刻。アール・ヌーヴォーのガラス器では、草花文様等をレリーフ状に彫り出すために使われている。カット加工に比べ非常に細かい部分まで表現できるため、技術のゆるす限り芸術性の高い作品を作ることができる。グラヴュールはその細かさに応じて、ムール、ルー、モレット、シズレなどに細分される。
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ガラスの素地に各種の金属酸化物の粉末を部分的にまぶしつけ、斑紋を生じさせる技法。ガラス素地に不純物が混入することは従来は失敗作とみなされていたが、ガレは積極的にいろいろな金属酸化物を使い複雑な色調の斑紋ガラスを開発した。
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酸の腐蝕作用によってガラスの肌を荒らし、霧氷模様をつける処理のこと。同様の処理でガラスの表面を梨地に仕上げる技法をフロストと呼ぶ。
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型吹きの一種。あらかじめ型の中に、果実、人物、動物などのレリーフを凹刻しておき、その中にガラスを吹き込んで文様をつける技法。スフレはガラスを吹くことを意味している。
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窯の中でドロドロに溶けたガラスを、吹竿と呼ぶパイプに捲き取り、空中で吹竿をまわしながら成形する方法。一切の型を使わず、ハサミやこて板などで形を整える。ガラスの吹きかげんが難しく思い通りに吹き上げるには熟練を要する。ガレの作品の多くは、この成形法によりつくられている。
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ガラスの練り粉というような意味を持つ。粉々に砕いたガラスを耐火石膏でつくった型につめ、そのまま窯の中で焼きあげ、徐冷後、型からはずし磨きをかけて仕上げる成形法。
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ガレが考え出した特殊な技法。透明ガラスの素地の中に失透現象をおこすような化合物を入れておき、錆色などにくもらせる効果を出す技法。古銅や古金属のような感じを出すこともできる。
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ガラスの間に、金、銀、プラチナ箔などの細片を挟み込み、キラキラと輝く地紋をつくる技法。同様に、ガラスの間に比較的面積の広い箔を挟み、素地に変化をつける技法をサンドウィッチと呼ぶ。
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加熱した素地に色ガラスの小片を象嵌し、再び熱をかけて文様をつくる方法。素地と文様が融合して独特の効果をあげる。ガレはこの技法を家具の寄せ木細工(マルケットリー)から着想を得て創り出した。1898年には特許を取得、1900年万博では他作家を圧倒してグランプリを受賞。技法的にはかなり難しく制作途中での破損が多い。
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ガラスの表面に金工の槌目のようなカット文様を施す技法。ドームの作品にしばしば見られる。
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琥珀、めのう、ひすい、大理石といった天然素材に似せたガラス素地をいう。金属酸化物を調合して色むらのある発色をさせたり、異色のガラスを練り合わせて縞目を出したりする。ガレの作品を特徴付ける複雑な色調の素地はこの技法による。
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