2021.10.12
闇は人間にとって恐怖の対象でありながら、同時に人間を強く惹き付けるものといえます。ホラー映画、ホラー小説、ホラーゲームが現代でも大きな人気を博している事からも、それは明らかではないでしょうか。そして、それは絵画をはじめと…
2021.10.05
1953年スペインの古都バレンシアの郊外に暮らすリヤドロ家の三兄弟、ホアン・ホセ・ビセンテによって創業された磁器ブランド「リヤドロ」。リヤドロの製作は、今も変わらず全て手作業で行われており、その製造はなんと14以上もの工…
2021.09.28
初めて藤井勉の作品を見たとき、私はその絵の中の少女に愛らしさの反面、どこか冷たい印象を覚えました。飾りのない風景の中で凛と一点を見つめる少女の、幼いような、しかしどこか大人びているような不思議な表情は、すこし奇妙にも映り…
2021.09.21
「絵を描く行為に入る前、私はこの尊に願いをかける。制作中の私は不動明王になりきることを念じ、不動尊が私の体をかりて作品を作られるのだと信じて制作をしている」 そう話す画家は、瞑想のひとときを過ごし作品を制作したそうです。…
2021.09.14
子どものようなイメージと鮮やかな色使い、彼の作品は飛び出す絵本のように楽しく、見る角度によって様々な表情を見せてくれます。今回はシルクスクリーンを用いた3Dアートの先駆者として知られるポップアーティスト「ジェームス・リジ…
2021.09.07
先日、人間国宝の故・加藤卓男が1990年に制作した陶壁の移設作業が行われたというニュースを目にしました。この陶壁はラスター彩で作られ、631枚の陶板を組み合わせて表現されているのですが、接着剤で固定された薄い陶器をはがす…
2021.08.31
盲目の旅芸人 瞽女(ごぜ) 先日、久しぶりに訪れたミニシアターで映画『瞽女 GOZE』を観てきました。これは最後の瞽女と呼ばれる小林ハルの生涯を描いた作品です。生後3か月で光を失ったハルの過酷な一生を軸に、当時の瞽女の生…
2021.08.24
いまにも寝息が聞こえそうに気持ちよく横になって眠っているこの猫 ●名前:タロー ●出生地:東京都世田谷区上北沢 ●本籍地:エジプト国、デア・エル、バハリ神殿、スフィンクス通り2-1-11 ●職業:睡眠研究株式会社社長、万…
2021.08.17
世の中には、組み合わせによって全く新しいものが生まれることがあります。今回は美術において真逆とされる二つを掛け合わせ、過去になかったものを生み出した、日本画家の河嶋淳司をご紹介させて頂きます。 ベースは伝統的な表現方法・…
2021.08.03
この二枚目のイケメンは東郷青児である。 イケメンとは裏腹に、ロマンチックな淡い色調で背景にお城があり、その薄い皮膚のようなマチエールに目をとじた長いまつげの女性が描かれている―。 東郷青児の作品にこのような印象を持った人…
2021.07.27
柔らかな色合いと繊細なタッチ、特徴的なシャープな線で描かれる作品は、透明感と光を感じさせる作品として描きあげられ、鮮やかなグリーンを使った木々は「小田切グリーン」とも呼ばれるほどで高い人気を誇っています。 今回は、ヨーロ…
2021.07.20
日本が誇る芸術のひとつ浮世絵。江戸自体に流行した庶民的な絵画ですが、19世紀後半には日本の美術品や工芸品がヨーロッパを中心に高く評価され、「ジャポニズム」といったムーブメントを起こしました。それまでの写実の再現を目指し、…
2021.07.13
萩焼の三輪休雪、備前焼の金重陶陽、九谷焼の徳田八十吉、民芸陶器(縄文象嵌)の島岡達三、など、陶芸の分野においてはその業績がみとめられ数多くの陶芸家が人間国宝(重要無形文化財保持者)に選ばれています。 今回はその中でも日本…
2021.07.06
7月7日は七夕です。別名「星祭り」とも呼ばれ、織姫と彦星が天の川を渡って1年に1度だけ会うことが許される夜です。雨が降ると天の川を渡ることができないともいわれているので、てるてる坊主をつくって天気を願い、願い事を短冊に書…
2021.06.29
情熱の国スペイン。スペインは多くの有名作家を多数輩出している国です。ゲルニカ、泣く女等で皆様も一度は作品を目にしたことがあるであろう「ピカソ」。20世紀に巻き起こったシュルレアリスムを代表する前衛画家「ダリ」。自由をひた…
2021.06.22
マリー・ローランサンの生い立ち 20世紀初頭、芸術の中心はフランス、パリでした。その一角、モンマルトルやモンパルナスには各地から成功を夢見て芸術家たちが集まってきました。エコール・ド・パリ(パリ派)と呼ばれた外国人芸術家…
2021.06.15
相原求一郎と戦争に運命を変えられた画家たち 戦争。争いの戦火は数多くの画家たち運命を変えていきました。 戦争画を描いた事により、後に「戦争協力者」として非難を受けた藤田嗣治は、宮本三郎、小磯良平らと従軍画家として南方戦線…
2021.06.08
現在、世界中にファンを持ち、イラストレーターとして活躍している天野喜孝。彼のキャリアのスタートはイラストレーターではなくアニメーターでした。 ガッチャマンと天野喜孝 1952年、静岡市に生まれた天野は14歳の時、東京に引…
2021.06.01
前田青邨は、大正~昭和期に活躍し、横山大観・川合玉堂亡きあと、名実ともに画壇のトップを極めた画家です。青邨は武者絵や花鳥画を得意とし、現在の日本画家のマーケットでもトップクラスの価格で取引されています。高額な評価=人気あ…
2021.05.25
桃山時代に美濃で生まれた志野 何の変哲も無い茶碗や花瓶にも何とも言えない味や風格を感じますが、どんな焼物が好きなのかと聞かれると、私はゴツゴツして荒々しくパワーを感じる志野にそそられます。 志野焼と言えば、人間国宝である…
2021.05.18
コロナ禍での鉄斎の富士展 コロナでの騒動から約一年以上が経ち、未だ終息が見えない中、世間ではまたまだ緊迫した日々と、終わりの見えない混沌とした生活が続いております。 この様な時世柄ですので、大型施設や美術館も休業も余儀無…
2021.05.11
心の琴線に触れる古民家風景 向井潤吉や林喜市郎。その名を聞いて思い浮かぶイメージはきっと古民家風景ではないでしょうか。 古民家風景は日本の伝統建築であり、古き良き情緒あふれる光景です。中でも郷愁を誘う白川郷や五箇山の合掌…
2021.04.27
今回はロイヤルコペンハーゲンの不朽の名作「フローラダニカ」について紹介させていただきます。 世界一豪華なディナーセット フローラダニカは、1790年頃デンマークと密接な関係にあったロシアの女帝エカテリーナ2世への贈り物と…
2021.04.20
今でも日本で人気、多くの人が魅了されるカシニョール。帽子を被った特徴的な女性の絵をどこかで見たことが有るという方も多いのではないでしょうか?実はこのカシニョール、世界的にも有名なフランスの画家さんにも関わらず人気に火がつ…