2021.10.05
美しく繊細なリヤドロの世界
1953年スペインの古都バレンシアの郊外に暮らすリヤドロ家の三兄弟、ホアン・ホセ・ビセンテによって創業された磁器ブランド「リヤドロ」。リヤドロの製作は、今も変わらず全て手作業で行われており、その製造はなんと14以上もの工程を経て作られています。
今回はアーティスト達の最高の技術を極めたシリーズ「ハイポーセリン」の中でも特に希少な作品を2点ご紹介したいと思います。
シンデレラの到着
「シンデレラの到着」はリヤドロの中でも特に大型の野心作です。世界中で親しまれる童話のワンシーンを表現した本作品は、44人の技術者とアーティストが2年の歳月をかけて完成させました。特に、装飾の浅浮き彫りに見られるような、丹念に形作られたディテールが目を惹きます。馬車は、外観はもちろん内部までかぼちゃの葉と実で飾られ、階段はグラナダのアルハンブラ宮殿のミニチュアのような繊細な飾りが施されています。
技術的にも芸術的にも高い質を誇る本作品は、金色に輝く手綱、ジルコンで飾られた留め具など、ペロー作の童話「シンデレラ」に表現されたディテールを余すところなく再現しているのです。
全長116cmに達するリヤドロ最大の作品のひとつ。贅沢で魔法に満ち、まるで夢のワンシーンのような作品です。
18世紀の馬車
バロック様式のこの美しい二人乗り四輪馬車は、リスボンの国立馬車博物館に実際に展示されている馬車にインスピレーションを得て制作されました。
4頭の馬と5人の人物、 馬車など多数の要素で構成される本作品は、制作数わずか500点。 使用人の衣装、カップルの豪華な装い、馬車の装飾など緻密なディテールが際立つ作品です。 50に上る色が使われた装飾は、ハイポーセリンのアーティストの手で約100時間をかけて仕上げられています。『18世紀の馬車』はポーセリン・アート史に残る、芸術的にも技術的にもリヤドロを代表する作品といえるでしょう。
リヤドロ三兄弟が「優しさあふれる世界を創造したい」という夢をポーセリンに託し、創業された磁器ブランド「リヤドロ」。このような状況ではありますが、リヤドロ三兄弟の想いに触れてみてはいかがでしょうか。