2019.02.18
愛の画家「シャガール」
「2月」と聞いてどんなことを思い浮かべますか?「うるう年」、「節分」などいろいろあると思いますが、やっぱり2月14日「バレンタインデー」を思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか。
最近では、友達同士であげあう友チョコ、自分へのご褒美として高級チョコレートを購入する女性も増えてきているみたいですが、一般的には「女性が思いを寄せる男性にチョコレートを渡して思いを伝える日」というのが昔からのイメージではないでしょうか。みなさんにも甘酸っぱい思い出などあるのでは?
そこで今回は、”愛”の画家シャガールをご紹介したいと思います。なぜ彼は、「愛の画家」と言われるようになったのか。 芸術家は愛に奔放な方が多いですが、シャガールには生涯ベラという女性を一途に敬愛していました。その証拠に彼の作品にはベラが数多く登場します。
ベラは花嫁であり、恋人であり、花嫁であり妻であり、母であり、ミューズでした。ベラが亡くなった後も絵のモチーフとして生き続けました。
そんなベラが登場する作品の中で私が一番好きな作品は「誕生日」です。1915年頃、シャガールとベラが結婚する数週間前に描かれた作品で、シャガールのベラに対する愛情が込められていて幸せいっぱいの作品です。
シャガールは喜びの表現するのに浮遊する姿を描いています。幸せの絶頂にいるシャガールは宙に浮き、ありえない方向に首を向けベラにキスをしています。
そんな彼にベラは目を見開き、驚きの表情をしています。赤い絨毯が印象的ですが、どこか不安げな色彩でもあるように感じます。 それは、第一次世界大戦の勃発、ベラの両親からあまりよく思われていなかったりと内面では素直に喜べなかったのかもしれません。
彼の作品はベラへの愛だけではなく、故郷愛やユダヤ教への愛を表現した作品があります。 ユダヤ人だったシャガールは、第二次世界大戦中にナチス軍の迫害から間一髪のところでアメリカに亡命しています。
あの時代を生きたユダヤ人の方々の辛く苦しい思いは想像するに堪えません。そういった背景を胸に作品を見ると、色彩により敏感になると思います。 色彩の詩人とも呼ばれているので、色に注目して鑑賞したりしても新たな発見があるかもしれません。
<シャガール名言>
「愛だけが私の興味を引くものだから、愛を取り巻くものとしか私はかかわりを持たない」
「人生にはたったひとつだけ、意味を与えてくれる色がある。それは愛の色だ。」
名古屋本社 茂木