2024.09.24
大胆な色と緻密な絵柄 ジョナス・ウッド
コラボレーション作品などで日本でも目にする機会が多くなった、ロサンゼルスを拠点に現在活動するアーティスト、ジョナス・ウッド。その大胆な色と独特の文字、コラージュのような作風は、すぐにウッドの作品だと気づきます。今回は、印象派、キュビズム、ポップアートといった美術史の流れを汲みつつも、新しい挑戦をするウッドの活動にフォーカスします。
身近のあらゆるものを色鮮やかに描く
バスケットやテニス、ボクシングなど様々なスポーツやそこに暮らす人の品々が置かれた室内風景、可愛い鉢に入った花や植物の数々、自分のスタジオの風景など、身の回りのあらゆるものを色鮮やかで簡略化された線や色で描き、独特な雰囲気の絵画を生み出しています。 絵画と並行してウッドが近年積極的に取り組んでいるシルクスクリーン、エッチング、リトグラフなどの版画作品では、ペインティング特有の絵の具のテクスチャーが排除され、イメージの平面性が一層際立ちます。デヴィッド・ホックニーやアレックス・カッツなどのアーティストに影響を受け、明るい色調、細かなパターン、平坦なフォルムを取り入れています。
陶芸彫刻家である妻の作品をモチーフに
作中に頻繁に登場する壺は、妻で陶芸彫刻家である日本人シオ・クサカの作品です。共同でロサンゼルスのアトリエを運営し、彼女との影響関係を色濃く映し出します。
「自己完結型」とも言えるモチーフを、版画技法特有の画面のフラットさや、重なり合う線や形、色によって、バリエーション豊かに構成された作品が特徴です。
コラボレーション作品が話題に
2019年、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)とコラボレーションし、「ルイ・ヴィトン×ジョナス・ウッド(LOUIS VUITTON X JONAS WOOD)」を発売し、躍動感に満ちたカラフルなアートで注目を浴び、更なる人気を博しています。ジョナスの作品はユニークであると同時に力強く、混雑したギャラリーや美術館の中からでも、彼の作品を見つけることは容易であり、それが魅力の一つであることは間違いないでしょう。
現在、世界屈指のメガギャラリーであるガゴシアンギャラリーに所属しておりアートマーケットでの更なる大きな飛躍が期待されています。ぜひ公式インスタグラムより活動や作品をチェックしてみてください。