2019.09.10
光の情景画家 笹倉鉄平
「笹倉鉄平」の作品の内容をお話しさせていただくうえで欠かせない要素が光の表現です。
彼には画家を目指した当初から「心安らぐ光」を描き出すという一貫したテーマがありました。
心を優しく温めてくれる光や見たものを勇気づける光など、その光を観る者に様々な幸福感を与えてくれる事から「光の情景画家」と呼ばれるようになった、彼の経歴をご紹介いたします。
「笹倉鉄平」は兵庫県出身の作家で、武蔵野美術大学商業デザイン科入学し卒業後グラフィックデザイナーを経て企業広告制作専属のイラストレーターになりました。
その数年後にフリーランスのイラストレーターとなり、主に森永製菓のパッケージデザインを担当し、チョコボールのキョロちゃんやチョコレート菓子の「小枝」など含む200点以上のイラストを描いています。
意識してみていない所で作品を見ていた方が多いのでは無いでしょうか。

企業広告制作専属のイラストレーターだった彼ですが、毎日新聞カラー別刷り版に「Romantic Gallery」という、ドイツの街々を描いた作品を月1回連載するようになります。
その後、フランスの街々を描いた「ロマン色の街角」を掲載後、1990年、東京のギャラリーで初個展を開催し、これを機に画家としての制作活動に専念するようになります。
彼の作品は企業のパッケージデザイン等を数多く制作されてきた経験や感性が活かされており、一度視界に入れると目を逸らせることができないほど、心に訴えてくる作品ばかりです。
冒頭にお話させていただきました通り、「笹倉鉄平」の作品といえば「光」が何よりも大事になってきます。
私が個人的に見惚れてしまった作品は、夕暮れ時、多くの露天商の光が連なり、まるで一本の大きな運河から海に流れていくかの如く光が広がっていく様子を描いた「パサージュ・ド・ルミエール」という作品です。
路地に広がる光の中に一つ一つの生命が宿っているかのように様々な色彩で描かれており、非常に温かみが感じられる作品です。