2020.02.11
二大美術様式で成功を収めた作家、ルネ・ラリック
今回、日本でも多くのファンをもつジュエリー作家・ガラス工芸家のルネ・ラリックをご紹介したいと思います。
ルネ・ラリックの生涯
ラリックは、1860年フランス・シャンパーニュ地方の小さな村アイで生まれました。
幼少期から身近な自然とふれあい、それらをモチーフにしたスケッチ作品を絵はがきにしたりと才能あふれる少年でした。そのラリックに転機が訪れたのは父親が亡くなった16歳の時。母親の勧めで宝飾職人に弟子入りをします。
その後、フリーランスを経て自身のアトリエを構えるまでに。カルティエをはじめとした有名宝飾店のデザインを手掛け、人気ジュエリー作家としての道を歩んでいきます。
そして1900年のパリ万博で出展した宝飾作品がグランプリに輝き、アール・ヌーヴォー作家としての名声を得ました。
しかしその後、アール・ヌーヴォーからアール・デコの時代へ。将来を模索していた時、香水商のフランソワ・コティに出会い、香水瓶に貼るラベルデザインを依頼されます。ラリックはラベルデザインだけでは満足出来ず、ガラスの香水瓶そのもののデザインも始めました。
それまで飾り気のないボトルで取引されていた香水でしたが、芸術性の高い彼の香水瓶は大人気となり、これを機にガラス作品の幅を広げていきます。
そして1912年、ついにジュエリー作家からガラス工芸家に転身することを決心したのです。
1925年のパリ万博ではラリックがガラス部門の責任者を務め、自社のパビリオンも展開、巨大噴水やオリエント・エクスプレスの車内装飾、さらに教会装飾と様々なガラス作品を手掛け、たくさんの人々を魅了し、第二の成功を収めました。
北澤美術館所蔵 ルネ・ラリック
アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美
現在、東京都庭園美術館では上記展覧会が開催中です。北澤美術館所蔵の名品約220点を厳選し、様々な作品が展示されています。この機会に二大美術様式で成功を収めた作家、ルネ・ラリックの世界を是非お楽しみください。