作家・作品紹介

モノ派を牽引し環境美術発展へと導いた関根伸夫

今から4年程になりますが、関根伸夫の大きな平面作品にお取扱いのご縁をいただきました。
いったい絵なのか、モノなのかー。当時、普段から風景画や人物画を多く目にしていましたが、最初に関根作品を実際に拝見した時の印象は今でも強烈に覚えています。
今回は関根伸夫の作品にクローズアップいたします。

関根伸夫は1942年に埼玉県で生まれ、1962年多摩美術大学絵画科に入学。現代美術家の斎藤義重に師事し、物質そのものの存在や関係性に焦点を当てた作品を特徴とする「モノ派」を牽引する存在として注目を浴びるようになりました。1968年、もの派のアーティストが一堂に会し、その理念や作品を広く知られるきっかけとなったグループ展を開催。関根も立体作品を出品し、芸術家としての地位を確立しました。

モノ派を牽引し環境美術発展へと導いた関根伸夫

転機となった【位相-大地】

1968年10月、須磨離宮公園で開催された野外彫刻展に出品した【位相-大地】が、関根のキャリアをさらに確立するきっかけとなりました。大地に円柱型の穴を掘り、掘り起こした土を穴と同じ形に固めて創作した【位相-大地】は、空間と時間の概念を内包し、地球という大きな揺らぎの一瞬を切り取ったかのような多感覚的な魅力を放つ作品です。単なるオブジェクトとしての存在を超えた独自性と深遠なテーマによって高く評価されました。ランドアート(環境美術)の先駆者として海外からも注目を浴び、関根の代表作として国内外問わず広く知られています。さらに同年、「位相-スポンジ」で第5回長岡現代美術館賞を受賞。その後も、多くの受賞歴を残すことになります。


モノ派を牽引し環境美術発展へと導いた関根伸夫

世界的アーティストとして活躍

1970年、ヴェネツィア・ビエンナーレの日本代表アーティストに選ばれた関根は【空相】という作品を出品し、成功をおさめます。この展示が関根の国際的な認知を高めるきっかけとなり、ヨーロッパに留まり制作に励むことになりました。グローバルに活動する関根は、世界各地での個展開催や大規模な展覧会出品など、ヨーロッパやアメリカをはじめとする多くの国々で評価され、世界中の美術館やコレクションに収蔵されています。


モノ派を牽引し環境美術発展へと導いた関根伸夫

環境美術研究所設立。ランドアートの発展へ

海外での経験を経て帰国した関根は、「公共空間を活性化させるアート」に関心を持ち、1973年、美術仲間を集めて環境美術研究所を設立。東京都庁舎シティーホール前の「水の神殿」や千葉工業大学モニュメントなどをはじめとし、噴水・彫刻・広場設計など、様々なモニュメントやプロジェクトを実現し、ランドアート発展に寄与しました。
晩年はロサンゼルスに移住し、2019年アメリカの病院にて永逝。亡き後も、関根伸夫の思想とそれを具現化した作品は、多くの人に影響を与え語り続けられています。

現在、関根作品は大阪市北区にある国立国際美術館など国内外のさまざまな美術館やギャラリーで見ることができるため、ぜひ足を運んでみてくださいね。

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