作家・作品紹介

みなさんは「あどちゃん！」の愛称で親しまれているイラストレーター、水森亜土（みずもり あど）をご存じでしょうか。ポップでカラフルなデザインが特徴的で、可愛らしい猫や子供のイラストで有名です。街中で彼女のデザインを見かけることも多く、まさに誰もが「一度は目にしたことがある」と言えるのではないでしょうか。そんな私も中学生時代にペットボトルについてくるおまけのストラップ欲しさに母にせがんで買ってもらっていた、あどちゃんファンの一人です。今回は見るだけで心が癒されるイラストレーター、水森亜土についてご紹介いたします。

ハワイが原点

3代続く生粋の江戸っ子の家に生まれた水森亜土。幼い頃から絵を描くことが好きだったことから、高校卒業後は美術大学進学を目指し、いくつかの美大を受験します。しかし不運にもすべて不合格だったため、見かねた母が友人のモロカイ・ハイスクールの校長に手紙を出したことで、ハワイに遊学することになります。「毎日、絵日記を書いて日本に送る」と母に約束してハワイに旅立ち、ハワイでの暮らしぶりなどについて絵日記を描くようになります。それを目にした出版関係者の紹介で集英社「イングリッシュ・フォーン」の挿絵を手がけることになりました。もしハワイに遊学していなかったら、また一味違う水森亜土がお目にかかれたかもしれません。

2等身のイラスト

水森亜土といえば、誰もがよく知る2等身のイラストです。母との約束で描いたハワイの絵日記から生まれた自画像で、TBS系列の『マツコの知らない世界』の番組内で誕生秘話として「忙しいし、早く寝たいから、段々体が短くなっていった」と語りました。他にも、色彩強調期やセクシー期もあり、セクシー期は高校生の頃に、父に連れられて行った日劇ミュージックホールのダンサーたちをモデルにしたそうです。どのイラストにも、シンプルでありながら強い個性があり、「あどちゃん」らしさが感じられます。

昭和レトロブーム

水森亜土は、現在でも多方面に影響力があり、今でも多くの人々に愛され続けています。彼女のイラストは、時代を超えて広い世代に親しまれ、その魅力は色褪せることがありません。特に近年の昭和レトロブームの中で、彼女のポップでカラフルなデザインや、可愛らしいキャラクターたちが再評価されています。彼女の作品は文房具やファッションアイテム、インテリアなど、さまざまな形で現代の生活にも取り入れられており、新しい世代のファンも増え続けています。彼女の作品は、まさに「時代を超えた愛されるアート」として多くの人々の心に残り続けているのです。

水森亜土の活動は公式インスタグラムでチェックしてみてください。