作家・作品紹介

―昔ながらの手法で作品と向き合う芸術家― 三嶋 哲也

年間100点以上の作品を生み出す三嶋哲也

1972年、長野県に生まれ、中央美術学園を卒業した三嶋哲也は、学生時代から古典絵画に心酔しており、古典的な油彩画の技術を追究しようとひたむきに努力を重ねてきました。年間100点以上の静物画を描いており、22歳の時には自身初の個展を開催し、以後西武そごう高輪会・日本橋三越・神戸そごうほか多くの場所で開催しています。1999年には画集も刊行し、油彩画家としてその名を広く轟かせました。現代では少数派となった昔ながらの手法を貫きながらも、今を生きる画家ならではの作品を次々と生み出しています。

―昔ながらの手法で作品と向き合う芸術家― 三嶋 哲也

題材と真摯に向き合う芸術家

三嶋哲也の特筆すべき点は、「写真を使わず必ず題材と向き合いながら絵を描く」ところです。デジタル社会と呼ばれる現代、実際のモノを見ずに写真を見て絵を描き上げる画家も数多くいます。もちろん、これ自体はなにも悪いことではありません。しかし、三嶋哲也は、題材と対峙し、題材の前で葛藤し、題材を直接目で見て作品を作り上げることにこだわりを持っています。そこから生まれた質感表現には、躍動感、色彩美、写実性、どれをとっても感嘆の声をあげずにはいられません。また、オリジナルの絵具を使用するといったように、自身の持つ表現力をさらに高めていくなど、日々研鑽を積んでいる画家でもあります。写実的絵画が昨今ブームとなってきていますが、題材に対して真摯に向き合う三嶋哲也の画家像は、多くの未来ある画家たちにとって尊敬の師となることでしょう。


―昔ながらの手法で作品と向き合う芸術家― 三嶋 哲也

「ヒップ」で語る“女性美”

三嶋哲也の作品には静物画の他「ヒップ」をメインとしたものが多く、たとえ人物画であっても先述したこだわりは変わらず、モデルを数時間拘束して描く、というスタイルを取ることが多くあります。写真を使わずに描かれた“女性美”は、油彩画ならではの表現も相まって、どこか妖艶な雰囲気を醸し出しており、見る人を魅了することでしょう。「ヒップ」に着目し、年間何枚もの油彩画を描く三嶋哲也は、「くびれ巨尻コンテンスト」の審査員長をも務めています。三嶋哲也の描く「ヒップ」は、言葉の通り美しいエロスを私たちに見せつけてくれる素敵な作品群です。

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