横山大観、日本画の巨匠の買取相場は?価格の査定ポイントを解説

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「富士山を、これほどまでに鮮やかに描き出した画家はいない」。そう称賛される横山大観。日本画の巨匠として、特に富士山を題材にした作品で知られています。彼の作品は、独特の色彩感覚と繊細な描写力で、富士山の雄大かつ繊細な美しさを余すところなく表現しており、今なお多くの人々を魅了し続けています。あなたも一度ご覧になったことがあるのではないでしょうか?

本記事では、横山大観の生涯やその芸術性、代表作の特徴などを詳しく解説するとともに、横山大観作品の買取相場や査定のポイント、高値売却のコツなどを紹介します。大観作品の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

霊峰不二
霊峰不二

当社の横山大観作品の買取実績価格

※買取相場価格は当社のこれまでの買取実績、および、市場相場を加味したご参考額です。実際の査定価格は作品の状態、相場等により変動いたします。

日本心神

富士が描かれた日本画:買取価格1,000~3,000万円

三保の富士

三保の富士
買取実績価格:版画作品:5,000~20,000円

 

老松双鶴

老松双鶴
買取実績価格:200万円

横山大観の生涯とその芸術的功績

横山大観の生い立ちと芸術家としての歩み

1868年(明治元年)、茨城県水戸市に産まれた横山大観。幼い頃から芸術に興味を持ち、1889年(明治22年)には東京美術学校(現在の東京芸術大学)に入学し、岡倉天心や橋本雅邦などの有名な画家から指導を受け、学生時代からその才能を存分に発揮しました。卒業後は同校の教授として後進の指導に当たっています。

横山大観が日本画界に与えた影響と功績―「朦朧体」の確立

横山大観は、伝統的な日本画の技法を基盤としながら、西洋絵画の影響を取り入れた独自の画風を確立しました。特に、横山大観が確立した「朦朧体(もうろうたい)」は、日本画の表現の幅を大きく広げたと評価されています。「朦朧体」とは、明確な輪郭線を用いずに、ぼかしや滲みを多用することで、対象の形をあいまいに表現する技法です。横山大観は、この技法を使って、風景や自然の持つ繊細な美しさや幻想的な雰囲気を巧みに表現しました。

横山大観の「霊峰飛鶴」は、「朦朧体」の技法を駆使して制作された傑作です。

霊峰飛鶴 1953年 横山大観記念館蔵

霧に包まれた荘厳な富士山と、その前景に描かれた鶴が印象的な作品です。一方、晩年の「瀟湘八景」シリーズでは、水墨画の手法を取り入れ、霧に包まれた山水の美しさを描き出しました。横山大観の「朦朧体」は、日本画の表現力を大きく拡げ、近代日本画の発展に大きく寄与したと言えるでしょう。横山大観の作品は、今なお多くの人々を魅了し続けています。

また、横山大観は発起人の一人として日本美術院の設立に関わり、後進の育成にも力を注ぎました。文展の審査員を務めるなど、日本画界の発展に大きく貢献。その功績から、1937年に文化勲章を受章しています。

横山大観作品の特徴と魅力

横山大観の作品は、その写実的な描写力と独特の色彩感覚で高く評価されています。特に初期の作品「無我」。彼の画風の特徴が顕著に表れたこの一枚は、横山大観が西洋の技術を取り入れつつも、日本の伝統美を保持することに努めた結果であり、彼の技術の高さを世に知らしめた作品と言えるでしょう。

無我
無我

日本の自然美と情趣を巧みに表現した構図

横山大観は、日本の自然景色をテーマに多くの作品を残しています。代表作の一つ「夜桜」では、幻想的な色彩と照明で夜の桜を表現しています。

夜桜(左隻)
夜桜(左隻)

初期から晩年までの代表作品と画風の変遷

晩年の代表作である「瀟湘八景」シリーズは、中国の風景をテーマにした作品群で、水墨画の技法と横山大観特有の色使いが見事に融合しています。

瀟湘八景 国宝・重要文化財         1912年 東京国立博物館蔵

このシリーズは、東洋の伝統的な主題に対する彼の深い理解と、芸術としての新たなアプローチを示す作品として、非常に高い評価を受けています。

補足:瀟湘八景 文化遺産オンライン

横山大観の名作「海山十題」

霊峰四趣 秋
霊峰四趣 秋(山に因む十題)

「海山十題」は、日本の壮大な自然を主題にした計20点の作品から成るシリーズです。このシリーズは、日本の山々と海の壮大な景色を描いた20点の作品群で、日本画の革新を遂げた作品として知られています。ここでは、この特別なシリーズをわかりやすく解説します。

自然を愛した画家の挑戦

横山大観の「海山十題」は、彼が特に愛した自然—山と海—をテーマにした作品です。山を題材にした「山に因む十題」と、海を描いた「海に因む十題」から成り立っており、それぞれに大観の深い自然観が反映されています。このシリーズを通じて、彼は自然の動的な美しさだけでなく、そこに宿る静けさや神秘も表現しています。

朦朧体で描かれる幻想的な風景

横山大観は、伝統的な日本画に留まらず、西洋の影響を取り入れた「朦朧体」という技法を用いています。この技法は、輪郭をぼかすことで、より幻想的で詩的な表現を可能にします。特に「海山十題」の作品では、水彩のような繊細なタッチと淡い色彩が、日本の自然のやわらかな美しさを見事に捉えています。

美術史における評価

「海山十題」は、美術批評家から高い評価を受けるとともに、一般の観客にも愛され続けています。横山大観のこのシリーズは、日本画の伝統的な枠を超えた表現で、新しい時代の日本画の可能性を開いたと評されています。

横山大観作品を高値で売却するためのポイント

作品のコンディションを最善に保つ

横山大観作品の価値は、保管状態で大きく左右されます。美術品を保管する際は、直射日光や高温多湿を避け、温度と湿度が一定に保たれた場所を選ぶことが重要です。また、定期的な作品のメンテナンスを怠らないようにしましょう。今一度保管方法を見直してみてはいかがでしょうか?

作品のクリーニング

横山大観作品の価値を維持するには、適切なクリーニングが不可欠です。不適切な方法でクリーニングすると、作品にダメージを与えてしまう危険性があります。日本画のクリーニングする際は、専門家に相談しましょう。熟練の技術で、作品の価値を損なうことなく、汚れや埃を取り除いてもらえます。

また、作品にダメージや劣化が見られる場合は、専門のコンサベーターに依頼することを検討してください。適切なリストレーションを施すことで、作品の価値を回復・向上させることができるでしょう。

真贋証明や来歴の重要性

横山大観作品の真贋証明や来歴は、高価買取の鍵を握っています。特に、作品の真贋を保証する鑑定書は、買取の際に不可欠です。購入時に必ず入手するようにしましょう。また、作品の購入時に付属していた箱や紙袋なども、大切に保管しておきましょう。これらの付属品が揃っていると、買取価格のアップにつながる可能性が高まります。

作品の来歴と評価の関係

横山大観作品の来歴も、買取価格に大きな影響を与えます。作品がどのような経緯で現在の所有者の手に渡ったのか、その過程を示す資料やデータがあれば、作品の価値を裏付ける強力な証拠になります。例えば、著名なコレクターや美術館が所蔵していた作品や、有名なオークションで落札された作品は、来歴の観点からも高い評価を受けます。作品の購入時には、来歴に関する情報も可能な限り収集しておくことをおすすめします。

買取先選びの重要ポイント

信頼に値する買取先を選ぶことが何より大切です。横山大観作品の買取実績が豊富で、専門性の高い買取業者を選ぶようにしましょう。査定の透明性、口コミや評判、買取方法の多様性、アフターケアなども重要なポイントです。

具体的には、以下のような点に注目してみてください。

  • 横山大観作品の買取実績と専門知識
  • 査定基準や買取価格の説明のわかりやすさ
  • 他の利用者の評価や体験談
  • 店頭買取、宅配買取、出張買取など、買取方法の選択肢の豊富さ
  • 買取後のトラブル対応などのアフターフォロー

これらの点を総合的に評価し、自分に最適な買取先を選ぶようにしましょう。

オークション出品とギャラリー委託販売

横山大観作品を売却する方法には、買取業者に依頼する以外にも、オークション出品やギャラリー委託販売があります。それぞれにメリットとデメリットがあるので、自分の状況に合った方法を選択することが重要です。オークション出品は、多くの潜在的な買い手にアピールできるチャンスであり、高値がつく可能性があります。しかし、手数料が高額になることや、売却価格が予測しにくいことがデメリットです。ギャラリー委託販売は、専門家による適正な価格設定と、信頼できる買い手とのマッチングが見込めます。ただし、ギャラリーの手数料は一般的に高く、売却までに時間を要する可能性があるので、早く売却した人は注意が必要です。

自分の作品の特性や希望する売却方法を見極め、最適な選択をするようにしましょう。

横山大観作品ならではの高値売却のポイント

横山大観作品を高値で売却するには、その独自性を理解することが重要です。横山大観の「朦朧体」と呼ばれる独特の画風や、日本の自然美を巧みに表現した構図は、市場で高く評価されています。また、横山大観の作品は、制作年代によっても価値が大きく異なります。初期から中期にかけての作品は、「朦朧体」の特徴が顕著で、特に人気が高い傾向にあります。

また、横山大観作品の中でも、「瀟湘八景」シリーズなどの大幅作品は、特に高額で取引されることが多いです。このような人気の高い作品をお持ちの場合は、複数の買取業者から査定を受け、慎重に売却先を選ぶことをおすすめします。

横山大観作品を少しでも高く売却する為には、適切な方法で専門家の知見を活かしましょう。

横山大観作品の買取相場

※買取相場価格は当社のこれまでの買取実績、および、市場相場を加味したご参考額です。実際の査定価格は作品の状態、相場等により変動いたします。

  • 富士が描かれている日本画であれば500万円〜、作品によっては2,500万円を超える高額な価格帯での査定が期待できます。
  • 掛軸でさらさらと描かれたような作品でも100万円〜250万円の価格帯の査定がでる作品もあります。

横山大観について補足情報

横山大観の作品(当社専用ページ)はこちらからご確認できます。

横山大観の鑑定機関・鑑定人

横山大観記念館は、東京都台東区池之端にある記念館。近代日本画の巨匠として知られる横山大観を記念して、1976年に開設された。子孫が理事を務める公益財団法人横山大観記念館が運営。

横山大観の美術館(記念館等)情報

足立美術館

  • 〒692-0064 島根県安来市古川町320

京都国立近代美術館

  • 〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町26-1
  • 〒110-0008 東京都台東区池之端1-4-24

横山大観の作家・関連作品紹介

以下、横山大観及び関連作家の紹介になります。

まとめ

横山大観は、近代日本画の巨匠として知られ、その作品は美術品市場で高い評価を受けています。横山大観作品の買取相場は上昇傾向にありますが、作品の状態や来歴、サイズなどによって価格は大きく異なります。横山大観作品の売却を検討する際は、美術品買取の専門家に相談し、適切な査定を受けることが重要です。作品の魅力を最大限に引き出し、高値で売却するためのポイントを押さえておきましょう。横山大観作品の買取について、ぜひ専門家に相談してみてください。

横山大観作品の売却に関するご相談は、専門家にお任せください。経験豊富なスタッフが、作品の査定から売却までを丁寧にサポートいたします。まずは、お気軽にお問い合わせください。

横山大観の作品の買取をご検討される際はこちらをご覧下さい。

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