東郷青児は、日本美術界において独自のポジションを築いた洋画家です。彼の作品は、東洋と西洋の美術を独自の視点で融合させたものであり、その画風は後世の画家にも大きな影響を与えました。この記事では、東郷青児の波乱に富んだ人生と、彼の作品が持つ独特の魅力に迫ります。また、東郷青児作品の買取相場や査定のポイント、高値売却のコツなどを紹介しています。東郷青児作品の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
東郷青児(とうごうせいじ)の経歴
東郷青児、本名鉄春、1897年鹿児島県生まれの画家は、若くして東京に移り、その芸術性を磨きました。19歳で「パラソルさせる女」で二科賞を受賞し、これが彼の画家としてのキャリアの始まりでした。24歳でフランスへ渡り、ピカソや藤田嗣治といった芸術家たちと交流を深めながら、独自のスタイルを確立。帰国後は、モダンな女性像を多くの作品で描き、その新しい理想像は多くの人々に受け入れられました。
国内外での学びと影響
東郷青児は、パリ国立高等美術学校で学び、西洋の美術に深い影響を受けました。この経験は、彼の作品において明確に表れており、西洋の技法と日本の伝統が融合した独特のスタイルを生み出しました。
画壇での地位
彼の才能は、国内外の展示会で高く評価され、多くの賞を受賞しました。19歳で『パラソルさせる女』が二科賞を受賞。64歳で二科会会長に就任し、72歳でフランス政府から芸術文化勲章。日本の美術界における重鎮として活躍しました。
東郷青児(とうごうせいじ)作品の特徴
東郷青児の作品は、「青児美人」と称される独自の女性像で知られています。これらの作品は、西洋絵画の伝統技法を取り入れつつ、日本的な感性で描かれており、彼の芸術の多様性と革新性を示しています。
独自のスタイルと技法
彼の作品は、デフォルメされた曲線と柔らかな色調で女性像を表現しています。このスタイルは、西洋の影響を受けながらも、日本の美意識を忘れない彼独自のアプローチから生まれました。
社会との関わり
東郷青児の作品は、当時の社会や文化に深く根ざしており、特にモダンな女性の理想像を反映したと言えるでしょう。時代を超えて今もなお、多くの人々を魅了し続けています。「青児美人」は、大正から昭和にかけての新しい女性像を表現したものとして、当時の人々に鮮烈な印象を与えています。モダンガールと呼ばれる解放的な女性たちを描いた青児の作品は、雑誌の表紙や挿絵、ポスター、洋菓子店の包装紙や缶などに数多く使用され、大衆文化の中で広く親しまれていました。
※補足:東郷青児と洋菓子の包装紙
東郷青児(とうごうせいじ)年譜
1897年(0歳) :4月28日 – 鹿児島県で生まれる。
1910年(13歳):青山学院中学部に入学。
1915年(18歳):山田耕筰の東京フィルハーモニー赤坂研究所の一室で制作を開始。日比谷美術館で初個展を開催し、これを機に有島生馬と知り合い、師事する。
1916年(19歳):第3回二科展に初出品し、二科賞を受賞。
1921年(24歳):フランスに留学し、ミラノで未来派運動に参加。
1928年(31歳):帰国。第15回二科展に滞欧作23点を特陳し、昭和洋画奨励賞を受賞。
1931年(34歳):二科会の会員になる。
1938年(41歳):二科会内に「九室会」を結成し、藤田嗣治と共に顧問となる。
1945年(48歳):終戦を迎え、二科会の再建に尽力。
1957年(60歳):日本芸術院賞を受賞。同年、日本芸術院の会員に選出。
1961年(64歳):二科会の会長に就任し、海外交流を推進。
1969年(72歳):フランス政府から芸術文化勲章を受章。
1974年(77歳):アルジェリアのタッシリを探訪。
1976年(79歳):勲二等旭日重光章を受章。東郷青児美術館を開設。
1978年(80歳):4月25日 – 熊本で客死。
当社の東郷青児作品の買取実績価格
※買取相場価格は当社のこれまでの買取実績、および、市場相場を加味したご参考額です。実際の査定価格は作品の状態、相場等により変動いたします。
赤い尖塔
髪
島
髪
東郷青児の作風と評価ポイント
東郷⻘児は19 歳で⼆科展の⼆科賞を受賞するなど、まさに昭和を代表する⽇本⼈として有名な洋画家です。柔らかな曲線と穏やかな⾊使いで多くの⼥性を描き、⽢美でロマンチックな画⾵は、海外からも絶⼤な⼈気を得ています。
現在の市場にある高額作品の多くは油彩や水彩を⽤いた原画のため、希少性が⾼いことから、⾼価買取が期待できます。中でも、目を閉じ、目元を黒で表現した、バラを持つ⼥性の作品や、背景に城が描かれているような作品は需要が⾼く、⾼価買取対象となっております。また版画などもあり、原画に比べると気軽に楽しめる為、今日でも人気があります。
東郷青児作品を高値で売却するためのポイント
作品の保管と定期的なメンテナンス
東郷青児の作品は、適切な保管とメンテナンスが価値を維持するために不可欠です。特に油彩画は、温度湿度の管理が重要です。直射日光を避け、空調の効いた部屋で保管しましょう。また、定期的に専門家によるクリーニングを行うことで、作品の状態を良好に保つことができます。
修復の必要性と専門家への依頼
作品に傷みや損傷がある場合は、専門の修復士に相談することをおすすめします。修復の際は、作家の特徴を理解している専門家に依頼することで、作品本来の価値を損なわずに修復してもらえます。適切な修復は、作品の価値を高めるためにも重要なポイントです。
真贋証明と作品の来歴
東郷青児作品の買取において、真贋鑑定証は必須です。具体的には、堀越美術が運営する東郷青児鑑定委員会が行っており、精通している専門家が鑑定を行います。油彩画や水彩画、デッサンなどの一点もののオリジナル作品は、鑑定証があることで価値が大きく変わります。購入時に鑑定証を必ずもらうようにしましょう。
また、作品の来歴(プロヴェナンス)も重要な要素です。有名コレクターや美術館が所有していた作品、著名なオークションで落札された作品は、来歴の面でも高く評価されます。東郷青児作品の購入時には、来歴に関する情報も可能な限り集めておくことをおすすめします。
東郷青児作品に精通した買取店の選択
東郷青児作品を高く売却するには、作家に精通した買取店を選ぶことが大切です。油彩画、水彩画、デッサンなど、作品のジャンルや特徴を理解し、適切な査定ができる買取店を選びましょう。
具体的には、以下のような点を確認してみてください。
- 東郷青児作品の買取実績と専門性の高さ
- 作品ジャンルごとの査定基準の明確さ
- 東郷青児作品の市場価値に関する知識の深さ
- 買取方法の選択肢の豊富さ
- 丁寧な対応と分かりやすい説明
これらの点を総合的に判断し、自分の作品に合った買取店を選ぶようにしましょう。
美術品専門のオークションとギャラリーの活用
東郷青児作品の売却では、美術品専門のオークションやギャラリーを活用するのも一つの方法です。特に、希少性の高い作品や、高額な作品の場合は、専門のオークションやギャラリーを通じた売却が適している場合があります。
美術品専門のオークションでは、東郷青児作品に造詣の深い買い手とのマッチングが期待できます。また、ギャラリーでは、作品の魅力を最大限に引き出す展示と、適切な価格設定によって、満足のいく売却が可能です。
ただし、オークションやギャラリーでの売却は、手数料が高くつくことがあります。また、売却までに一定の時間を要することも考慮しておく必要があります。所有作品の特徴と、希望売却方法を踏まえて、最適な選択をするようにしましょう。
東郷青児について補足情報
東郷青児の作品(当社専用ページ)はこちらからご確認できます。
東郷青児の鑑定機関・鑑定人
東郷青児の美術館情報
SOMPO美術館
- 〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1
東郷青児の作家・関連作品紹介
以下、東郷青児及び関連作家の紹介になります。
まとめ
東郷青児は、大正から昭和にかけて活躍した日本を代表する洋画家です。本記事では、青児の経歴や作品の特徴、そして「青児美人」と呼ばれる独自の画風について詳しく解説しました。また、東郷青児作品の買取相場や高値売却のコツ、当社の買取実績なども紹介しています。東郷青児作品の売却をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
東郷青児作品の売却に関するご相談は、専門家にお任せください。経験豊富なスタッフが、作品の査定から売却までを丁寧にサポートいたします。まずは、お気軽にお問い合わせください。
東郷青児の作品の買取をご検討される際はこちらをご覧下さい。