はじめに
「ヤマガタ・ブルー」という言葉を耳にしたことはありますか?それは、世界的に活躍する日本人アーティスト、山形博導(ヒロ・ヤマガタ)の作品に見られる特徴的な青色のことです。バブル期から現在まで、独自の色彩感覚と芸術性で多くの人々を魅了してきた山形の世界をご紹介します。さらに、作品の買取に関する情報も交えながら、山形芸術の奥深さに迫っていきましょう。
山形博導とは?
皆さんは、日本のバブル期を彩った鮮やかな色彩の作品を思い出せますか?その多くが山形博導の手によるものかもしれません。
バブル期を代表する日本のポップアーティスト
滋賀県の小さな町で1948年に誕生した山形博導は、幼い頃から卓越した芸術的才能を発揮していました。絵を描くことへの情熱と並外れた能力は、周囲の人々の目にも明らかだったといいます。その才能を見出した大人たちは、幼少期から山形の芸術的才能を伸ばすための環境づくりに努めたそうです。
1964年、地元の米原高校に進学した山形は、運命的な出会いを果たします。日本画の大家である椙村睦親(すぎむら まさちか)先生との出会いです。先生の指導の下、山形の才能は開花し、在学中から県の美術展で次々と入賞を果たすなど、頭角を現していきました。
高校卒業後は上京し、広告会社でデザインやイラストの仕事に就きました。この頃から、サイコロや米粒に自分の作品を描くなど、絵を描くことへの情熱が垣間見えます。
国際的評価と功績
1972年、山形の人生に大きな転機が訪れます。恋に導かれるように、彼は遠くヨーロッパの地を踏みました。パリを拠点に選んだ山形は、パリの名高い画廊との契約を勝ち取ります。その後、オーストリアからイギリス、西ドイツに至るまで、ヨーロッパ全土で個展を開催。山形の芸術は、まさにヨーロッパを席巻していったのです。
1978年、山形の芸術人生は新たな章を迎えます。ロサンゼルスの有力画廊との契約を機に、彼は活動の場をアメリカへと移しました。この地で山形は、シルクスクリーン技法を駆使した作品群で大きな反響を呼びます。
サンフランシスコやロサンゼルスでの個展は大成功を収め、アメリカ美術界での地位を確立。その評価は政界にも及び、1986年にはレーガン大統領から「自由の女神100周年記念」作品の制作を直々に依頼されるまでになりました。この出来事は、山形が現代を代表する美術家の一人として広く認められたことを示す重要な転機となりました。
山形の芸術は、オリンピックという世界最大のスポーツの祭典とも深い結びつきを持ちます。バルセロナ、アトランタ、そして日本での長野冬季大会と、複数のオリンピックで公式ポスターを手がけました。さらに1992年には、世界的エンターテイメント企業であるディズニーとも契約を結びます。ディズニーランドの風景や愛されるキャラクターたちを独自の視点で描き出し、山形の作品は文字通り、世界中の人々の目に触れることとなったのです。
山形博導の作品の魅力や特徴
山形博導の代表作品には、以下のようなものがあります。
レイニーデイ
1986年に制作された版画で、霧に包まれた雨降るパリの街並みを描いたものです。モノトーンな色調でまとめられており、叙情的で落ち着いた印象を与える作風ながら、雨の中を急ぐ人々の姿をユーモアあふれる表現で描き、見る者の想像力をかき立てます。
ペリエ
1982年に制作された『ペリエ 』は、山形の代表作の一つです。フランスの炭酸飲料水メーカー「ペリエ」のロゴが入った飛行船が、快晴のパリの空を飛ぶ様子を描いています。この作品で描かれた青空が、後に「ヤマガタ・ブルー」として高い評価を受けるきっかけとなりました。
自由の女神
山形の代表作の一つに数えられる『自由の女神』は、1986年の制作です。アメリカの象徴である自由の女神像の100周年を記念する公式作品として、当時のレーガン大統領から直接依頼を受けたものでした。作品には、リボンで装飾された自由の女神像を中心に、ニューヨークの壮大なスカイラインが描かれています。空には色とりどりの花火が咲き乱れ、気球が浮かび、まるで自由の女神の誕生日を祝うかのような、祝祭感あふれる雰囲気が表現されています。
ディズニーシリーズ
ディズニーのキャラクターが描かれた作品は、山形の人気をさらに押し上げました。1992年にディズニーとも契約を結び、ディズニーランドの風景やディズニーキャラクターたちを独自の視点で描き出しています。
「アースリーパラダイス(Earthly Paradise:地上の楽園)」シリーズ
クラシックなメルセデスベンツにアートを施した版画のシリーズはアートファンはもちろんのこと車好きからも関心を寄せられています。
補足情報1:ベース車両は「220カブリオレA」!──ヒロ・ヤマガタ作のオールド・メルセデス・ベンツのアートカーが日本で販売中!
補足情報2:ヒロ・ヤマガタが手掛けたゴージャスでサイケなM・ベンツ220A|もはや車ではなくアート!
実際に、M・ベンツ220Aカブリオレにペイントを1台1台にアクリル絵の具で施し、ていねいに描かれた車は22台製作されており、そのうち11台は日本に存在すると言われているそうです。
ブロンズ像のシリーズ
山形の世界感が立体で表現されたユーモラスな限定部数入りのブロンズ作品も大変人気です。1点1点に彩色が施されています。
技法と素材の多様性
山形博導の作品は、主にシルクスクリーン版画で知られていますが、その他にもアクリル画や水彩画など、多様な技法と素材を用いています。
シルクスクリーン版画:山形の代名詞とも言えるシルクスクリーン作品は、100色以上もの色を使用することで知られています。「色彩の魔術師」とも呼ばれる所以です。特に、深みがありながら爽やかな青色は「ヤマガタ・ブルー」と呼ばれ、山形博導の代名詞とも言える色になっています。
アクリル画と水彩画:シルクスクリーン以外にも、アクリル画や水彩画による一点物の作品も制作しています。
山形博導の作品を実際に見たことがある方はいらっしゃいますか?もし機会があれば、ぜひその色彩の魔術と呼ばれる世界を直接体験してみてください。
山形博導作品の買取相場・実績
※買取相場価格は当社のこれまでの買取実績、および、市場相場を加味したご参考額です。実際の査定価格は作品の状態、相場等により変動いたします。
レーニーデイ
※「ペリエ」「泥棒」「スノーキャッスル」「野外音楽会」に並ぶ、山形博導5大作品の一つ、名品。
自由の女神
※1986年に自由の女神100周年記念事業団(会長・レーガン大統領)より同記念の公式ポスターの原画制作依頼を受けて描いた作品。
パリ・フィルム
※1976年にパリで制作した初期版画、希少品。
山形博導の作品を高値で売却するポイント
来歴や付帯品・保証書
来歴や付帯品:購入先の証明や美術館に貸出、図録に掲載された作品等は鑑定書が付帯していなくても査定できる場合があります。
保証書:購入時に保証書が付帯する作品もあるので大切に保管しましょう。
水彩・デッサン作品
状態良好、保管方法
主に紙に描かれていることの多い水彩やデッサンは、モチーフに対して紙の余白がある反面、しみや日焼けが目立つ事があります。
油彩画(額)
状態を良好に保つ為の保管方法
油絵は主に布を張ったキャンバスと言われるものに描かれています。他にも板に直接描かれた作品もあります。油絵の具は乾燥に弱く、色によってはヒビ割れ目立つ作品が見受けられます。また、湿気によりカビなどが付着しやすく、カビが根深い場合は修復困難となってしまいます。高温多湿を避け、涼しい場所に飾りましょう。また箱にしまったままも湿気やすい為、最低でも年に2回は風を通すようにしましょう。
アクリル画(額)
状態を良好に保つ為の保管方法
アクリル画は主に布を張ったキャンバスと言われるものにアクリル絵の具で描かれています。他にも板に直接描かれた作品もあります。アクリル絵の具は乾燥に弱く、色によってはヒビ割れ目立つ作品が見受けられます。また、湿気によりカビなどが付着しやすく、カビが根深い場合は修復困難となってしまいます。高温多湿を避け、涼しい場所に飾りましょう。また箱にしまったままも湿気やすい為、最低でも年に2回は風を通すようにしましょう。
版画作品
版画には有名画家が直接携わり監修した作品も多くあります。主に版画作品下部に作家直筆サインとエディション(何部発行した何番目の作品であるか)が記載されています。主に紙に刷られており、湿気や乾燥に弱いです。また直射日光が長期間当たると色飛びの原因になります。掛ける場所・保管場所には十分注意しましょう。
山形博導についての補足情報
新作や新たな芸術的挑戦
山形博導は、シルクスクリーン作品で世界的な名声を得ましたが、その芸術的探求は止まることを知りません。近年は、シルクスクリーンによる作品制作を続けながらも、ホログラムやレーザーを使用した大掛かりなインスタレーション作品も次々に発表しています。この新しい表現方法により、山形は現代美術家として更なる進化を遂げています。彼の多面的な芸術活動は、従来のファンを魅了し続けるとともに、新たな観客層の興味も引きつけています。
アートシーンにおける影響力
山形博導は、日本人でありながら世界的に活躍するアーティストとして、後続の日本人アーティストたちに大きな影響を与えています。奈良美智や村上隆といった現代の日本人アーティストが世界で活躍する以前から、山形は既に国際的な評価を得ていました。
その独自の色彩感覚と、写実的な風景と簡素化された人物表現のコントラスト、そして作品に込められた物語性は、多くのアーティストに影響を与え続けています。また、商業アートと純粋芸術の融合という点でも、山形の活動は現代アートシーンに大きな影響を与えたと言えるでしょう。
まとめ
山形博導は、20世紀後半から21世紀にかけて日本を代表する画家として、その芸術性と国際的な活躍により高い評価を受けています。シルクスクリーンによる鮮やかな色彩表現、特に「ヤマガタ・ブルー」と呼ばれる独特の青色、そして写実的な風景と簡素化された人物表現のコントラストは、多くの人々の心を打ち続けています。
あなたの身近にも、山形博導の作品が隠れているかもしれません。古いポスターや版画を見つけたら、もしかしたら価値ある芸術作品かもしれませんね。専門家に相談してみてはいかがでしょうか?
山形博導の芸術世界、少し身近に感じていただけたでしょうか。作品をお持ちの方、興味を持たれた方、ぜひ一度専門家による査定を検討してみてください。新たな発見があるかもしれません。また、最新のレーザーアートなど、山形の新しい挑戦にも注目してみてはいかがでしょうか。芸術の旅、一緒に楽しんでいきましょう。
山形博導作品の売却に関するご相談は、専門家にお任せください。経験豊富なスタッフが、作品の査定から売却までを丁寧にサポートいたします。まずは、お気軽にお問い合わせください。
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