作家・作品紹介

瞬間の美を捉え、魂を描く画家 ロバート・ハインデル

バレエダンサーの一瞬の美しさを捉え、その内面の情熱までも描き出す“現代のドガ”——ロバート・ハインデル(Robert Heindel)。彼の作品は、躍動感と静寂が共存する独自の世界観を持ち、今なお多くの美術愛好家やコレクターを魅了しています。

瞬間の美を捉え、魂を描く画家 ロバート・ハインデル

バレエとの出会い

1938年、アメリカ・オハイオ州で生まれたロバート・ハインデルは、デトロイトに移り住んだ後、独学と通信教育で絵を学びました。1960年代から1970年代後半にかけてイラストレーターとして活躍していましたが、彼の人生を大きく変える転機が訪れます。

1962年、当時働いていたデザイン事務所の上司から「クライアントが行けなくなったから」と譲り受けたバレエのチケットが、そのきっかけでした。初めてバレエを観賞したハインデルは、その美しさとドラマに心を奪われました。そして、44歳のときにアトランタ・バレエ団の公演ポスターを手がけ、その作品が大きな評価を受けます。これを契機に、英国ロイヤル・バレエ団をはじめとする世界的なバレエ団からリハーサルの取材を許され、ダンサーたちの動きを克明に描き出す作品を次々と生み出していきました。


瞬間の美を捉え、魂を描く画家 ロバート・ハインデル
《ドローイング・フォー・ミヤコ》

“現代のドガ”

ハインデルの作品は、フランスの印象派画家エドガー・ドガの影響を色濃く受けています。ドガもまたバレエダンサーを描き続けた画家でしたが、ハインデルはそこに現代的なアプローチを加え、より洗練された色彩と光の効果を用いて独自のスタイルを確立しました。

彼の作品には、リハーサルの様子や舞台裏の静寂、ダンサーたちの真剣な表情や緊張感が見事に表現されています。その筆致は、写実的でありながらも、どこか幻想的な雰囲気を漂わせ、観る者に強い感情のインパクトを与えます。

彼の特徴があらわれている作品の一つとして《ドローイング・フォー・ミヤコ》をご覧ください。この作品は、日本のバレエダンサーをモデルにしたものだと思われます。躍動感あふれる筆致の中に繊細な空気感が表現されており、描かれたダンサーの姿勢や手足のしなやかな動きには、ハインデルが生涯追求し続けた「バレエの瞬間の美」が凝縮されています。


瞬間の美を捉え、魂を描く画家 ロバート・ハインデル

高く評価される芸術性

ハインデルの作品は、世界中の美術館やギャラリーで展示され、多くの著名人のコレクションにも加えられています。彼の作品を所有していた人物には、故ダイアナ妃、映画俳優のクリント・イーストウッド、監督のジョージ・ルーカスなどが名を連ねています。また、日本においても高円宮殿下がハインデルの作品を愛したことで知られています。

2005年に亡くなってから20年近くが経ちますが、彼の作品は色褪せることなく、今なお多くのファンを魅了し続けています。バレエの躍動感と静寂を描いたその絵画は、単なる美の追求にとどまらず、観る者に深い感動を与える芸術作品として、これからも高い評価を受け続けるでしょう。

作家・作品紹介一覧をみる

美術品の売却が初めての方
「買取の流れ」をご紹介!
全国出張・宅配買取や無料査定も実施中!

買取の流れをみる

アート買取協会で
買取できる美術品

日本画、洋画、現代アートなどの絵画買取から掛軸、陶磁器などの骨董・古美術の買取まで幅広い美術品ジャンルを取り扱っております。
一覧にない美術品も取扱いがございますので、まずはお気軽にご相談ください。

絵画や骨董品、美術品、古美術を売るなら、
買取専門店「アート買取協会」にお任せください!

メール査定 LINE査定 お問い合わせ