作家・作品紹介

ジミー大西さんは、独特の天然キャラクターでお茶の間の人気者となり、画家としても高い評価を得ています。彼の人生は、芸人から画家への転身、そして再び絵筆を取るまでの波乱万丈な物語に満ちています。

明石家さんまとの出会いと芸人としての活躍

高校卒業後、吉本興業に入社したジミーさんは、なんば花月の裏方として働いているときに明石家さんまと出会い、彼の付き人兼運転手となりました。さんまさんの指導のもと、「やってるやってる！」などのギャグで一躍人気者となりました。

絵画の才能の発見と画家への転身

ある日、さんまの自宅で娘のIMALUさんとお絵描きをして遊んでいたところ、さんまが「ジミー、お前の絵は変わってるな」と興味を示しました。この何気ない一言が、彼の画家人生の始まりとなります。
その後、タレントが絵を描いて出品するテレビ番組の企画に推薦され、作品が33万円という高額で落札されるという思わぬ高評価を受けました。この結果に驚いたジミー大西は、ますます絵を描くことに夢中になっていきました。
また、この作品を見た岡本太郎から激励の手紙が届き、その中には「キャンバスからはみ出せ」という言葉が書かれていました。このメッセージに感銘を受けたジミー大西は、既存の枠にとらわれない自由なスタイルでの創作を決意しました。

画家としての成長と海外での挑戦

ジミー大西は、1990年代に本格的に画家としての活動を開始します。彼の作品は色彩豊かでエネルギッシュな作風が特徴で、多くの芸術家や専門家からも高い評価を受けました。
彼はより広い視野を持つため、憧れの芸術家・ピカソが生まれたスペインへ移住し、現地での生活や文化に触れることで、新たなインスピレーションを得ました。その後、世界各地を旅しながら創作活動を続け、訪れた国々の影響を受けた作品を多数制作。特にアフリカでの経験は、彼の作風に大きな影響を与え、より鮮やかで大胆な色使いが特徴となりました。
また、旅の途中で出会った人々との交流も彼の作品に深く影響を与えています。例えば、南米の市場で見た独特の色彩や模様、東南アジアで触れた宗教的なモチーフなど、旅を通じて得た感性が、彼の作品に独自の世界観を生み出しました。

突然の休筆、そして再開

そんな中、2015年にジミー大西は突如として絵を描くことをやめてしまいます。理由は意外なものでした。
ある日、焼き鳥店のアルバイト募集の張り紙を見た際に、時給1,200円と書かれているのを発見。それを見て、自身の作品制作にかかる時間を時給換算すると、わずか380円程度であることにショックを受けたのです。
「こんなに時間をかけているのに、割に合わないのではないか？」と悩み、筆を置くことを決意しました。
しかし、その後も彼を支え続けたのは師匠である明石家さんまの存在でした。2020年、新型コロナウイルスの影響で多くの人が仕事を失う中、さんまから「コロナで仕事のない人が大勢いる。お前は絵でもお笑いでも、人を楽しませることができる。お金なんか関係ない」という言葉をかけられます。
この言葉に心を動かされたジミー大西は、再び筆を取り、創作活動を再開。彼は以前の作風に加えて、色彩を幾重にも重ねて立体感を出す新たな技法を取り入れるなど、より進化した作品を生み出していきました。

注目作品の紹介

ジミー大西の作品の中で注目すべきもののひとつが「未来の夢」です。
この作品は、彼の独特な色彩感覚と構図が際立ち、観る者に強い印象を与えます。色鮮やかな背景の中に、夢を追い求める人々の姿が描かれており、生命力あふれるエネルギーが感じられる作品です。ジミー大西ならではのユーモアと創造力が詰まった一枚であり、多くの人々に勇気と希望を与えています。

近年の活動とこれから

2022年から2023年にかけて、画業30年記念作品展『POP OUT』を全国で開催。この展示会では、初期の頃から海外移住期、未発表の新作シリーズまで100点以上の作品が展示されました。展示会を通じて、彼の多面性や芸術に対する真摯な姿勢を改めて感じることができました。
また、2024年には還暦を迎え、日本橋三越で開催された「還暦記念 ジミー大西原画展」も大盛況となりました。
そして、2025年からは『ホームタウン』と銘打った国内巡回展がスタート。彼の作品をより多くの人に届けるべく、全国を回る予定です。
ジミー大西の作品は、彼の独特な視点と豊かな色彩で、多くの人々を魅了し続けています。彼の描く世界は、見る者に元気や勇気を与えてくれるものばかり。これからも、彼の新たな作品がどのような驚きをもたらしてくれるのか、期待が高まります。

詳しい情報は公式インスタグラムでチェックしてみてください。

◆ Instagram