クリスチャン・リース・ラッセン作品の魅力と相場|マリンアートの巨匠の価値を探る

  • クリスチャン・リース・ラッセン
  • シルクスクリーン
  • 版画

はじめに

海の神秘、生命の躍動、そして自然の美しさ。クリスチャン・リース・ラッセンの作品は、これらを一枚のキャンバスに魔法のように閉じ込め、世界中の人々の心を捉えてきました。その価値は時とともに変化し、今や美術品市場で高い評価を得ています。

本記事では、マリンアートの巨匠ラッセンの魅力に迫ります。さらに、その作品の買取相場や高額査定のポイントもご紹介。大切に所有されてきた作品の真の価値を知りたい方、あるいは新たな方へ作品をバトンタッチしたいとお考えの方、必見の内容となっています。

ラッセンが描く海の世界の魅力と、その作品が秘める価値について、一緒に探っていきましょう。

スイムインザムーン

クリスチャン・リース・ラッセンとは?

皆さんは、ラッセンの作品を実際に見たことがありますか?もしまだであれば、この機会に彼の魅力的な世界観に触れてみてはいかがでしょうか。

マリンアートの第一人者としての軌跡

クリスチャン・リース・ラッセンは、1956年にアメリカのカリフォルニア州で生まれ、11歳でハワイ・マウイ島に移住しました。海の魅力に魅せられた彼は、1976年、20歳でアート制作を始めます。ハワイの大自然に囲まれて育ったことが、彼の豊かな色彩感覚と自然描写の基盤となりました。プロのサーファーでもあるラッセンは、肌で感じた自然の偉大さや生き物の自由な姿を、独特の感性で描き出しています。

ラッセンの芸術的影響力と評価

ラッセンの作品は、1980年代中頃から人気を博し始めました。1983年には国連の<クリーンオーシャンキャンペーン>でイメージアート<サンクチュアリ>を制作。さらに、1989年にはホノルルマラソン公式アーティストに選定されるなど、国際的な評価も高まっていきました。

日本では、1989年以降、アーティストの作品の展示会や販売・プロモーション支援を行うアールビバン社と契約を結んだことで、ラッセンの知名度が急速に広がりました。特に原画展「ピース」は、日本でのラッセンの地位を確立する契機となり、ラッセンの人気は日本でも顕著でした。

1997年と2002年の「全国縦断クリスチャン・ラッセン原画展」では、両展合わせて10万人以上が訪れ、その人気ぶりを証明しました。ラッセンの作品は、アートの専門知識がなくても楽しめる親しみやすさと、日本人の自然を畏敬する感性との相性の良さから、幅広い層に支持されています。

環境保護活動家としての一面

ラッセンの活動は、画筆を握るだけにとどまりません。環境保護にも熱心に取り組み、1990年には自ら「シービジョン財団」を設立。アートと環境保護の融合を体現しているのです。

彼の環境保護への思いは作品にも反映されており、海洋生物や自然の美しさを描くことで、環境保護の大切さを訴えかけています。1997年には、環境問題について呼びかける映画「I am the Earth ~私は地球~」に主演し、この映画はユニセフの推薦映画に選ばれるほどの評価を受けました。

さらに、ラッセンは自身の作品の収益の一部を環境保護活動に充てています。例えば、1997年に日本で起きたナホトカ号原油流出事故の際には、寄付を行うなど積極的に支援活動を行いました。

このような活動が評価され、1997年には国連の「オーシャンイヤー」に関してNGO組織『F.U.N』の親善大使にも選ばれています。ラッセンの環境保護活動は、彼の芸術活動と密接に結びつき、世界的に高い評価を受けているのです。

クリスチャン・リース・ラッセンの作品の魅力や特徴

人気の高い代表作品とシリーズ

スイムインザムーンオーダーミッキー&ミニー(S)

海洋生物、特にイルカやクジラが、ラッセン作品の主役として頻繁に登場します。さらに、彼の創造性は海を超え、ディズニーキャラクターや大型の猫科動物まで、幅広いモチーフを取り入れています。以下に、ラッセンの代表的な作品をいくつかご紹介します。

マザーズ・ラブ

マザーズ・ラブ

1996年に制作された作品で、サンゴを背にイルカの親子が泳ぐ様子を描いています。鮮やかな色彩と複数の技法(ミクストメディア)を巧みに組み合わせたこの作品は、マリンアートの巨匠としてのラッセンの真髄を体現しています。

バランスオブライフ

バランスオブライフ

1999年に制作された250部限定版の作品。宇宙をバックに月や地球が描かれ、中央にイルカが飛び跳ねて波を打っている様子が印象的です。

ドリームタイム(M)

ドリームタイム(M)

賑やかな色彩と光にで描かれた地上・水中の楽園に観る者を誘います。この図柄はパズルにもなっており、幻想的な印象を受けます。

タイガームーンS

タイガームーンS

画面に大きく描かれたホワイトタイガーの後ろに輝く大きな月。青い空間に毛色が映え、虎の勇ましさの中にどこか神秘的な雰囲気を感じられます。

宇宙や地球を背景に、中央に大きく虎を描いた作品。青い宇宙空間に、虎の黄金色の毛色が映え、神秘的な雰囲気を感じられます。

タッチオブヘブン

タッチオブヘブン

オーロラに照らされた深いブルーの海にクジラの大ジャンプ。思わず水しぶきが飛んできそうな躍動感ある描写が印象的です。

サクラファンタジー

桜吹雪が舞う夜に、2頭のイルカがジャンプする様子を描いた作品。光輝く満月と、大きな水しぶきを上げるイルカの描写から、可愛らしく華やかな印象を受けます。桜のピンク色と、イルカと海の青色が美しく映えており、日本人の感性にマッチした人気作品です。

これらの作品以外にも、「グローリーオブザシー」「ムーンリットディスティニー」「ドルフィンシンフォニー」「セレーンサンクチュアリー」「プレシャスラブ」「エンドレスドリーム」など、多くの人気作品があります。それぞれの作品には、ラッセン独自の世界観が詰まっていますが、皆さんはどの作品に最も魅力を感じますか?

ラッセン特有の技法と表現

ラッセンは多彩な技法を駆使して、色彩豊かな海中世界を表現します。アクリル画や水彩画、版画、そして近年注目のミクスドメディア(ラッセングラフ)など、様々な手法を用いて作品を制作しています。特に、海洋生物の躍動感ある描写は、まるで生きているかのようなリアリティを感じさせます。

※ミクスドメディアとは、複数の素材や技法を組み合わせて作品を制作する手法のことです。

クリスチャン・リース・ラッセンの作品の買取相場・実績

※買取相場価格は当社のこれまでの買取実績、および、市場相場を加味したご参考額です。実際の査定価格は作品の状態、相場等により変動いたします。

ドルフィンシルエット(S)

ドルフィンシルエット(S)
買取実績価格:8~12万円

グローリーオブザシー(S)

グローリーオブザシー(S)
買取実績価格:8~12万円

セレーンサンクチュアリー

セレーンサンクチュアリー
買取実績価格:6~8万円

クリスチャン・リース・ラッセンの作品を高値で売却するポイント

来歴や付帯品・保証書

来歴や付帯品:購入先の証明や美術館に貸出、図録に掲載された作品等は鑑定書が付帯していなくても査定できる場合があります。
保証書:購入時に保証書が付帯する作品もあるので大切に保管しましょう。

また、販売元の箱も付帯しているか確認してみましょう。

水彩・デッサン作品

状態良好、保管方法

主に紙に描かれていることの多い水彩やデッサンは、モチーフに対して紙の余白がある反面、しみや日焼けが目立つ事があります。

アクリル画(額)

状態を良好に保つ為の保管方法

アクリル画は主に布を張ったキャンバスと言われるものにアクリル絵の具で描かれています。他にも板に直接描かれた作品もあります。アクリル絵の具は乾燥に弱く、色によってはヒビ割れ目立つ作品が見受けられます。また、湿気によりカビなどが付着しやすく、カビが根深い場合は修復困難となってしまいます。高温多湿を避け、涼しい場所に飾りましょう。また箱にしまったままも湿気やすい為、最低でも年に2回は風を通すようにしましょう。

版画作品

版画には有名画家が直接携わり監修した作品も多くあります。主に版画作品下部に作家直筆サインとエディション(何部発行した何番目の作品であるか)が記載されています。主に紙に刷られており、湿気や乾燥に弱いです。また直射日光が長期間当たると色飛びの原因になります。掛ける場所・保管場所には十分注意しましょう。

・ラッセングラフ:ミクスドメディア+手彩色でボードに製版される版画技法でラッセン独自の表現方法です。従来の紙やキャンバスに刷られており、退色が起こりにくい技法と言われています。

クリスチャン・リース・ラッセンについての補足情報

日本におけるラッセン作品の特殊性

ラッセンの作品は、日本で特に高い人気を誇っています。その理由としては以下のようなものが挙げられます。

– 親しみやすい画風:ラッセンの作品は、西洋美術や日本美術への深い造詣がなくても、一目で「綺麗だ」とわかる親しみやすさがあります。これは、アートに馴染みのない人でも楽しめる要素となっています。

– 日本人の感性との関係:ラッセンの自然を題材にした作品が日本で広く受け入れられた理由の一つとして、日本人の自然に対する独特の感性が影響している可能性があります。日本の伝統的な自然観と、ラッセンの作品に描かれる海洋生物や風景との間に、何らかの共鳴があったのかもしれません。

– バブル期の影響:日本のバブル期に爆発的なブームが起こり、それまでアートには関心のなかった中間層に大人気を博しました。この時期に形成されたファン層が、現在も根強い人気の基盤となっています。

– 展覧会の頻繁な開催:日本では何度も大規模な展覧会が開催され、多くの来場者を集めています。これにより、ラッセンの作品に触れる機会が多く、継続的な人気につながっています。

– グッズ展開:ポスターやカレンダー、ジグソーパズルなど、手の届きやすい価格帯のグッズも多く展開されています。これにより、より多くの人々がラッセンのアートを日常的に楽しむことができるようになりました。

ラッセンの作品は日本で大衆的な人気を博しましたが、その評価には複雑な側面があります。日本の現代美術界からは、その作風やマーケティング手法が従来の芸術の枠に収まらないとして、批判的な見方も存在しました。しかし、この多様な評価こそが、ラッセン作品の多面的な魅力を物語っているのかもしれません。

最新の展示会情報

|クリスチャン・リース・ラッセン作品|特別展 極

※入場料無料・絵画展示販売会

日本でのクリスチャン・リース・ラッセンに関する最新ニュース

【福島県郡山市】日本初!マリンアート画家「クリスチャン・リース・ラッセン」の絵画活用に関する協定を結びました

まとめ

クリスチャン・リース・ラッセンは、マリンアートの世界に新風を吹き込んだ巨匠です。その作品は、単なる絵画を超えた、海への愛と環境保護への強い思いが込められたメッセージとなっています。

ラッセンの魅力は、以下の点に集約されるでしょう:

  1. 独特の表現方法:鮮やかな色彩と精密な描写が織りなす、幻想的な海中世界。
  2. 環境保護への貢献:芸術を通じて、海洋環境の大切さを訴えかける姿勢。
  3. 幅広い支持:アートの専門知識を持たない人々にも親しまれる親和性。
  4. 技法の多様性:アクリル画からミクスドメディアまで、様々な手法を駆使。
  5. 日本での特別な評価:バブル期を経て形成された根強いファン層。

これらの特徴が、ラッセン作品の価値を形成し、美術品市場での高い評価につながっています。所有者の皆様にとって、ラッセンの作品は単なる絵画以上の意味を持つかもしれません。

クリスチャン・リース・ラッセン作品の売却に関するご相談は、専門家にお任せください。経験豊富なスタッフが、作品の査定から売却までを丁寧にサポートいたします。まずは、お気軽にお問い合わせください。

クリスチャン・リース・ラッセンの作品の買取をご検討される際はこちらをご覧下さい。

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