2024.04.09
石ノ森章太郎 ~多彩な表現をマンガにした漫画家~(後編)
世界一周旅行から生まれた名作
高校生の頃からプロの漫画家として走り続けてきた石ノ森は、もともと小説家か映画監督になりたいという夢がありました。漫画家を自身の生涯の職業とするべきか、その答えを見つけるため、23歳の時に3ヶ月休業し、70日間の世界一周旅行へと旅立ちます。当時は個人での海外渡航が自由化されていなかったため、集英社「日の丸」編集部に頼み込み、シアトルで開催される世界SF大会の取材記者として渡航許可を得て出国したそうです。
この世界旅行は、彼の今後の漫画家人生や作品に大きな影響を与えました。帰国して2年後に発表したのが、彼のライフワークとなった作品『サイボーグ009』です。
『サイボーグ009』は、謎の異能者集団に立ち向かう9人のサイボーグの戦いを描いた作品です。元々人間であった9人が、サイボーグに改造され様々な困難を乗り越えていくのですが、この9人は出身地も年齢も経歴も職業もそれぞれ異なり、現代でいう多様性を描いた作品と言えます。連載誌を変えながら描き続けられた作品で、世代を超えた人気のある作品です。
今も続く人気テレビシリーズの誕生
『サイボーグ009』と同様に、石ノ森章太郎の作品で大ヒットした作品があります。それは『仮面ライダー』です。小さい頃、変身ポーズをして遊んだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。『仮面ライダー』は、もともと連載されていたマンガの実写化ではなく、テレビ番組の企画と共に生まれた作品です。1971年に東映から「新しい試みを」ということで依頼を受け、主題歌の作詞やキャラクターデザイン、キャラクターたちのネーミングを手掛けました。仮面ライダーシリーズのオープニングでは今もなお、石ノ森章太郎が原作者としてクレジットされています。また、”悪から与えられた力を使って悪と戦う物語”というテーマは、『サイボーグ009』の時から描き続けています。
番組人気もさることながら、関連キャラクター商品(変身ベルト、自転車、カード付スナックなど)が爆発的な売り上げを記録し、「変身ブーム」と呼ばれる社会現象を巻き起こしました。
石ノ森章太郎作品の版画作品について
石ノ森章太郎の作品は百貨店などの催事場で開催される絵画の見本市や即売会で、手塚治虫、ちばてつやといったような作家の版画作品などと一緒に販売されていることが多いです。
弊社では石ノ森章太郎の作品の買取を行っています。
特に『サイボーグ009』の作品はこれまでも多く買取させていただいており、愛好家やファンも多いため、需要のある作品でもあります。また『仮面ライダー』の作品は、今でもテレビシリーズが放送されており、近年実写の映画化が上映されています。 今後も需要があると思われますので、ぜひ一度お持ちの作品の査定をしてみませんか?お問い合わせお待ちしております。