2023.11.28
女性の美しさ・想いを描く女流画家 田村能里子
今回ご紹介する田村能里子は1944年に愛知に生まれ、武蔵野美術大学を卒業後、夫の赴任に伴い、ベンガル州、北部インド、ネパール、カシミール、デリー、南部インドやアジアを周り、大地に生きる人々や女性を老人を中心にその土地に住む人々の生活や風土を題材とする作品を手掛けています。
「タムラレッド」が魅せる赤の世界と
田村能里子の絵で一番印象に残ると言われる色が“赤”です。「タムラレッド」と称されるこの鮮烈な赤ですが、田村さんの描く女性の表情に目をやると、不思議と赤の印象に変化がありました。皆さんはこの写真の作品の女性の表情を観てどのように感じますか?遠くの景色を見つめているだけなのか、考え事をしているのか…観る人によって表情の感じ方は様々だと思います。しばらく鑑賞していると、空間を意識した構図だからなのか、表情や感情が絵からだんだん溢れ、あんなに鮮烈な印象だった赤さえも暖かい気持ちになりました。以来、私は田村能里子の作品に魅了されファンになりました。
女流洋画家として初めて襖絵を任される
2009年の春に女流洋画家として初めて京都・大本山天龍寺塔頭「宝厳院」の襖絵を任され、1年半の歳月をかけ制作・奉納されました。襖絵には「タムラレッド」の色彩の中に三十三人の老若男女が描かれており、その土地で生きる人々の力強さや愛する気持ちが表現されています。「時代を超えて、国も越えて“対話できるもの”を残したかった」と語っておられます。宗教的な枠組みにとらわれず、観る人それぞれが自由に絵とコミュニケーションできる、そんな想いで描き上げた作品は、この先も多くの人々と対話しながらそこに在り続けるではないでしょうか。
あなたの街にも・・・?
田村能里子は洋画家という枠組みを越え襖絵、はたまた壁画等、意欲的な作品を多く残しています。
関西・関東を中心に観る事ができる壁画はパブリックスペースに設けられているものも少なくありません。皆と共有することで魅力的な場所、作品となる事でしょう。
魅力ある田村能里子の作品が全国に浸透する事を願っています。
詳しくは下記URLのオフィシャルHPにてチェックしてみてください。
田村能里子オフィシャルHP