作家・作品紹介

洋画と日本画の融合 奥谷博

先日の令和3年秋の叙勲では、スポーツ振興の分野から「長嶋 茂雄」、歌舞伎から「尾上 菊五郎」、そして洋画からは「絹谷 幸二」等、9名の方々が文化勲章を受章され、その功績がニュースを賑わしておりました。
今回は、座右の銘を『藝術無終(げいじゅつむじゅう)』とし、常に作品を描き続けている画家。平成29年に文化勲章を受章された奥谷博をご紹介します。

洋画と日本画の融合 奥谷博

鮮烈な色彩を画面内で対比させる独自の世界観

奥谷博は長年色彩鮮やかな具象絵画で画壇をリードしてきました。
画集の表紙でも知られる1981年の『足摺遠雷』は荒波を背に、足摺の断崖にたつ赤のベールを被った女性。
奥谷博の作品の特徴でもある緑色に表現された人物。この緑は対象物と周りのものの関係性を表現していく「洋画」と、瞼に焼きついた輪郭を表現していく「日本画」、それらの融合を狙い描いていくと自然に表れてくるそうです。
緊密な構成力をもって、鮮烈な色彩を画面内で対比させる独自の世界観がこの一枚からも伝わってきますね。
環境は作品に影響する。「興味のないものは結局描かない。だから人物の後ろに海を描いたり、池を描いたり。自然と選んでいますね」と語る先生のアトリエは、神奈川県葉山町の海に囲まれた自然豊かな土地に構えられています。


洋画と日本画の融合 奥谷博

体調を崩しながらも完成された力作『底力』

奈良興福寺の「天燈鬼」と「龍燈鬼」。美しさと力強い写実性、包み込むユーモアが感じられる鬼の姿に魅了されたそうです。碧い海と動きのある潮騒、その対照として浮かび上がるように鮮やかに映える紅色の凛とした鬼。そのバランスと幻想的な色彩に心が奪われます。製作中には体調を崩し、めまいに苦しみながらも作品を完成させたことから『底力』と名付けられた見事な力作です。

この秋、14年ぶりの大規模回顧展が、高知県にて開催されており、この『底力』も展示されています。
コロナ禍に見舞われたこの一年半も毎日アトリエ通い、一日7~8時間製作する生活リズムを維持し、ひたむきに作品に取り組む日々だったそうです。「もはや好きを通り越している」という「絵」に、真摯に向き合い制作に取り組んだそうです。
描くことは生きることであり、芸術には決して終わりがない。そう語る奥谷博の魂のこもったダイナミックな作品は、2022年1月16日まで高知県立美術館にて一堂に会されます。

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