2019.06.04
「太陽の塔」蘇る
1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)のテーマ館として、岡本太郎が制作した建造物『太陽の塔』の内部が復元され48年ぶりに一般公開されました。
太陽の塔は万博閉幕後も万博記念公園のシンボルとして今も残されています。
外観の塗り替え工事が行われた以外、大がかりな改修工事などが行われておらず、現在の建築基準を満たすための耐震工事とあわせて塔内部の展示物も復元されました。
太陽の塔の外観は何度か見たことがありますが、今回の一般公開の報道などによって塔内部にある太陽の塔の内臓とも云われている「生命の樹」、第四の顔とも言われている「地底の太陽」の存在を知りました。
「生命の樹」は高さが41メートルもあり、カラフルな色の幹や枝には約200体ものさまざまな生物の造形物が飾られています。当時から残っている造形物は修復され、破損のひどい物や失ってしまった物は当時の資料に基づいて新たに制作されました。
一番下にはアメーバーなどの単細胞生物、その上には爬虫類、恐竜、哺乳類そして頂上には人類がいます。
大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」でしたが太郎は生物の進化や、人類が生物の一番頂上にいる事を表現したかった訳ではなく、科学や技術の進歩ばかりに希望を抱く現代の人々たちに本来の生物の在り方や根源を取り戻して欲しい、縄文人の心を取り戻して欲しいとテーマとは全く逆の意味を込めたこの樹を制作したそうです。
また万博閉幕後から行方不明になっている「地底の太陽」も今回の再生事業により復刻されました。
子供の頃に見た時は少し不気味に感じた太陽の塔ですが、すっかり大人になった今もう一度見に行ってみたいと思います。
名古屋本社 久松