2019.11.19
ポップアートの時代の創始者 ロイ・リキテンスタイン
ロイ・リキテンシュタインは1923年ニューヨーク生まれの画家です。
アンディ・ウォーホルと共にポップアートの第一人者になっており、漫画を拡大したように見える作品が代表的です。
抽象画を描いていた彼ですが、ある時、自分の子どもにミッキーマウスを描いてあげたとき、漫画の持つ力に気づいたといいます。
彼の作品の特徴は漫画のカットのような太い輪郭線で囲まれた平面に三原色のベタ塗りを施し、影はドットの大小や密度で表現している点です。
ポップ・アートとは
ポップ・アートのポップは大衆を意味するポピュラーの略語です。
1950年代後半にロンドンで最初の動向がみられました。その後、60年代に入るとアメリカにも波及し、アート界に一大センセーションを巻き起こしたムーブメントとなります。
一般大衆の日常的な記号や既製品をより大胆かつ堂々と絵画や彫刻に取り入れている特徴があります。
リキテンスタインとアンディ・ウォーホル
ポップアートの巨匠・アンディ・ウォーホルは、もともと商業デザイナー出身で現代アートにもビジネスの要素を取り入れ、メディアを多用し戦略的に自身の作品を売り出していったことで知られています。
漫画を題材として使うことはウォーホルも思いついていたそうですが、リキテンスタインのように色を塗っていない部分に、機械のように正確にドットを描いていくことはしませんでした。リキテンスタインのアイデアを見たウォーホルは思いつけなかったことをとても悔しがったそうです。
印刷インクによる細かなドットをまるで機械のように一つ一つ描写している点は、職人気質すら感じられ、遠目で見た時は単なる平面に塗られた色彩に見え、近づいてみると無数のドットの集まりであることに鑑賞者は驚かされます。
「それは何かの絵のように見えるのでなく、物そのもののように見えるのです」とリキテンシュタインが語っているように、物自体の側面が強調され、アートの概念そのものを問いかけているようです。
鮮やかでポップな作風はインテリアとしての人気も高く、観る者を決して飽きさせない魅力を持っています。